研究課題/領域番号 |
20K21207
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大木 靖弘 京都大学, 化学研究所, 教授 (10324394)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 鉄 / ホスフィン / ホウ素 / アミド / コバルト / ニッケル / クラスター / ヒドリド |
研究開始時の研究の概要 |
金属ナノクラスターの構造と反応性や物性の関係を明らかにして基礎を固めることを目指し、本研究では1nmを前後するクラスターを、構造や組成が規定される「分子」として、先例がない鉄族金属元素(Fe, Co等)を用いて合成する。標的クラスターの合成に向けては、非極性の有機溶媒中で無電荷の化合物だけを用いる、代表者独自の反応を発展させる。
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研究成果の概要 |
本研究における代表的な成果は大きく3点ある。1つ目はかさ高い芳香族置換基を持つ一級ホスフィンが鉄クラスター錯体の合成に有用であると見出したことである。2つ目は鉄クラスター錯体の骨格変換反応の発見であり、具体的には平面で直線型に近いFe6クラスター錯体から正三角形型のFe6クラスター錯体が生成することを見出した。3つ目はN2のシリル化反応の触媒として働く鉄クラスター触媒活性種に関する知見を得たことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
窒素分子や二酸化炭素の還元反応は、エネルギー変換/貯蔵の観点やSDGsの観点で社会的な注目を集めている。窒素分子をアンモニアへ還元する酵素反応や工業反応、二酸化炭素を一酸化炭素へ還元する酵素反応、一酸化炭素から液体炭化水素を合成する工業反応の全てに関わる金属元素が鉄であり、これらの反応の高効率化に向けた触媒候補になり得るのが、金属塊より反応性が高く、複数の金属原子が反応に関わる可能性があるのが金属クラスター錯体である。また、構造と組成が一義的に決まる金属クラスター錯体は、反応性の詳細を確認し易く、高効率触媒を開発するための基礎的な知見も提供すると期待できる。
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