研究課題/領域番号 |
20K21212
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分34:無機・錯体化学、分析化学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小野 利和 九州大学, 工学研究院, 准教授 (20643513)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 円偏光発光 / アルミニウム / ガリウム / インジウム / らせん錯体 / 光学分割 / セキュリティインク / キラリティ / 多核錯体 / アルミニウム錯体 / 典型元素錯体 / シッフ塩基 / 多色発光 / 蛍光 / ねじれ角 / 計算化学 / 13属元素 / 円偏光発光材料 / 溶媒効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、多種多様の配位子と金属イオンの組み合わせによる発光性二核三重らせん錯体の網羅的合成を進め、らせん構造のサイズ・ピッチ・歪みに伴うキラルな光学特性の評価を目的とする。続いてらせん錯体をモチーフとした、イオン・分子・バイオ分子(DNA、タンパク質、糖鎖)に対する高感度・選択的なセンサーの開発や、多孔性配位高分子への展開など、新物質群の創製に挑戦する。
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研究成果の概要 |
発光には、右・左回転する2種類の円偏光発光が知られており、3Dディスプレイ、セキュリティインク、生体イメージング等の応用が期待されている。しかし従来の円偏光発光材料は、①高価なキラル源やレアメタルを原料とする、②煩雑・高環境負荷な有機合成を必要とする、③熱や媒質変化に対する低い安定性(ラセミ化)などの多くの問題点を抱えている。本研究では、アルミニウム2核3重らせん錯体の合成を達成し、発光量子収率が50%を超える良好な光物性と、上記の問題点を解決しうる円偏光発光材料の開発を達成した。ホルミルピロール、ヒドラジン、アルミニウムクロライドといった安価な原料で合成可能な点も魅力的である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
円偏光発光材料は、生体イメージング材料や次世代のセキュリティ技術など生命科学分野・工学分野への応用が期待される新しい材料であり、優れた材料が開発されると化学以外の分野への波及効果も非常に高く、円偏光発光材料を中心に新しい研究領域が創成されることが期待される。資源の少ない日本において、レアメタル等の代替物質を探る元素戦略が注目を集める中、特に地殻中に豊富に存在する金属元素であるアルミニウムを用いた機能性材料(円偏光発光材料)の創製は、社会情勢を見据えたものであり、優れた先見性・創造性に富む研究であると確信している。
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