研究課題/領域番号 |
20K21216
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
矢貝 史樹 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (80344969)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | キラリティ / 超分子キラリティ / 光異性化 / 螺旋構造 / 自己集合 / 階層構造 / ナノ構造 / メゾスコピック領域 / 階層的自己組織化 / ナノリング / ナノチューブ / 超分子ポリマー / アゾベンゼン / 核形成 / 超分子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,2次核形成と呼ばれる、結晶の表面でさらなる結晶が形成されやすい現象を利用して同一キラル分子を用いた超分子キラリティーの完全反転法の確立に挑む。すでに予備実験において、光により2次核形成を制御することで、反対の超分子キラリティーを有する繊維状集合体を作り分けることに成功している。そこで、この集合体をキラルドーパントとし、アキラル発光性液晶のキラリティ制御とその円偏光発光のスイッチングを実現する。さらに、2次核形成による超分子キラリティ制御法の一般化を試みる。
|
研究成果の概要 |
本研究では、キラルなアゾベンゼン分子の自己集合における核形成を、アゾベンゼンの光異性化を介して光により制御し、分子間で生じる不斉(超分子キラリティー)を反転させることに成功した。自己集合の時間依存データを、タンパク質の凝集における二次核形成の解析に用いられる理論モデルにより解析することで、二次核形成の寄与を証明した。さらに分子のわずかな非対称性の偏りが階層的な自己集合を介して増幅される現象の発見に成功した。これらの結果は、生体分子が片方の鏡像体から構成されているホモキラリティ現象の理解を前進させるだけでなく、らせん構造が機能の鍵となる機能性材料の開発における新たな設計指針となるであろう。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本提案では光照射による円偏光発光の反転についても視野に入れていたが、この目的を達成のためにはまず光による超分子キラリティーの完全反転を再現良く行うことが必要であると判断し、光照射条件の検討および反転メカニズムの解明を推進した。さらに、将来より安価な分子材料からキラル集合体を調製できるよう、キラル増幅に関する研究も同時に推進した。現在これらのキラル集合体への発光部位の導入を推進しており、既に高発光性のキラル集合体がいくつか得られている。今後、これらの発光性キラル集合体が示すCPL特性や、それらの光スイッチングや増幅現象の検証を行い、省エネ高機能デバイス開発の研究基盤を構築する。
|