研究課題/領域番号 |
20K21220
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
山本 勝宏 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30314082)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | X線散乱 / テンダーX線 / 異常小角散乱 / 硫黄 / リン / 水環境下 / 小角散乱 / 異常分散 / 高分子膜 / ウエット環境 |
研究開始時の研究の概要 |
ソフトX線の利用は、ソフトマテリアルを構成する主元素である炭素といった軽元素(軟X線領域対象)から、生物学的、化学的、エネルギー工学、地球科学といった幅広い研究分野で重要な元素、Na、Mg、P、S、K(テンダーX線領域対象)などに至るまで、構造中(試料中)におけるそれらの元素を選択的にとらえ、それらの空間分布状態や凝集構造など解析することを可能とし、また元素ごとにその結合状態なども解析することが可能となる。本申請ではテンダーX線の利用に特化する。また、通常高真空中での測定が必須であるが、試料環境を水含有状態でも測定可能な試料セルの設計から進め、硫黄含む機能性高分子の詳細な構造解析を行う。
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研究成果の概要 |
研究の目的は、散乱実験ではほとんど利用されていないテンダーX線を使ったナノ構造解析手法の拡張である。特に水環境(含水・水蒸気下)での散乱実験が行える施設装置の高度化と、その成果を世界に先駆けて示すことである。散乱実験に特化した試料合成と水環境下でのテンダーX線散乱測定を可能にする特殊試料セルの開発を行った。テンダーX線散乱実験では、空気によるX線の吸収が大きいため、試料回りの環境は真空であるが、試料の乾燥を防ぐ試料セルとなっている。この特殊セルにより、硫黄およびリン含有高分子試料の水環境下での散乱実験が可能となり、試料中の水存在領域における特定元素の分布状態を詳細に解析することが可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の大きな目的は、散乱実験にほとんど利用されていなかったX線エネルギー領域であるテンダーX線を利用したナノ構造解析手法の拡張である。特に試料含水状態や水蒸気環境下(ウエット環境)での散乱実験を行える施設は、世界を見てもほとんどないため、このX領域を用いた構造解析手法は難しい状況にあった。機能性材料として硫黄元素や生体材料としてリン元素は有用な機能性発現の官能基である。材料機能発現においては水環境下であるため、この状態での構造解析が必須である。実環境に近い状態での構造解析を可能にすることができる手法であり、機能と構造の相関をより理解することができる点は重要な意義である。
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