研究課題/領域番号 |
20K21222
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大内 誠 京都大学, 工学研究科, 教授 (90394874)
|
研究分担者 |
古賀 毅 京都大学, 工学研究科, 教授 (80303866)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 感熱性 / 高分子 / 刺激応答 / 精密重合 / 配列 / インフォマティクス |
研究開始時の研究の概要 |
計算技術や人工知能の発展により,計算やデータベースを駆使した機能性分子の効率的な開発が求められている。例えば中分子や小分子を用いた創薬開発では,適切な分子構造の計算予測が実現しつつあるが,合成高分子を用いた材料開発の場合,高分子の一次構造に分布(分子量分布,組成分布など)が存在するため,実験結果と計算結果の精密な比較,さらにより高度な特性を目指した一次構造の発展的予測は難しい。本研究では高分子設計に対する学術体系革新を目指し,水溶性高分子の会合挙動を題材として「高分子鎖中の官能基位置制御を通じた計算科学に基づく高分子設計」を目指す。
|
研究成果の概要 |
水酸基側鎖と疎水性側鎖が交互に配列した温度応答性を示す交互共重合体,さらにこの交互共重合体と別の温度応答性を示すホモポリマーとのブロック共重合体を合成し,対応するランダム共重合体と比較することで,配列に特異的な温度応答性挙動を明らかにした。また,水酸基側鎖に対し,イソシアネートを反応させることで,水素結合で会合が可能なウレタン結合を含む交互共重合体の合成にも成功した。ウレタン結合を導入したことで,水中の温度応答性は親水性基と疎水性基の組み合わせの交互共重合体とは異なり,分子鎖間の水素結合による凝集挙動,ならびに凝集サイズに基づいた温度応答挙動であった。今後シミュレーションでの解析に展開する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体高分子はモノマー配列が制御された共重合体であり,配列に基づいて機能している。特に疎水性基や水素結合を活用して,高分子鎖の分子内や分子間の凝集を通じて配列特異的なかたちを形成し,機能していることが重要である。本研究では,水溶性の合成高分子に対して疎水性基,親水性基,会合性基の配列を制御することに成功し,さらにその配列特異的な温度応答性挙動を明らかにした。シミュレーション・インフォマティクス解析は現在展開中であるが,これによって高分子鎖の水中での振る舞いが理解されると期待される。
|