研究課題/領域番号 |
20K21224
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
家 裕隆 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80362622)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | キノイド / 有機半導体 / 電子輸送材料 / 光ダイオード / 熱電変換 / 電子輸送型材料 |
研究開始時の研究の概要 |
π共役分子に有機半導体としての機能を付与させる研究が注目されている。キノイド構造のオリゴチオフェンは低い最低空軌道レベルを持つことから、キャリアが電子のn型半導体への応用が期待されている。チオフェン環の芳香族化に起因して、キノイド構造はビラジカル構造との共鳴である。共役の鎖長伸長に伴ってビラジカル構造の寄与が高くなると化学的安定性が低下するため、n型半導体としての応用が困難となる。そこで本研究では、キノイド構造安定化させることでビラカル性を調節したキノイドオリゴチオフェンを系統的に開発し、ビラジカル性がn型の光ダイオード特性や熱電変換特性に及ぼす影響を解明する。
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研究成果の概要 |
キノイド構造の長鎖オリゴチオフェンは高いビラジカル性に起因して合成が困難な分子である。本研究では、ビラジカル性制御に向けてベンゼン縮環を導入したキノイド構造チオフェン5量体の系統的な合成に成功し、その分子構造と基礎物性の相関を明らかとした。さらに、この分子の光物性と電気化学特性とキャリア輸送特性を活かすことで、近赤外応答フォトトランジスタの機能開発にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キノイド構造分子は基底状態においてキノイドとビラジカルの共鳴構造であり、鎖長が伸長するにつれてビラジカル性の寄与が大きくなる。本研究では、ビラジカル性を精密に調節した長鎖キノイド構造オリゴチオフェンを系統的に創出し、その特異な基礎物性と半導体材料としての機能開拓に成功した。得られた知見は、近赤外光やビラジカル性を利用した新機軸の有機エレクトロニクス材料の開発に活かせると期待される。
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