研究課題/領域番号 |
20K21227
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分35:高分子、有機材料およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
儘田 正史 九州大学, 工学研究院, 助教 (60625854)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 有機半導体レーザー / レーザー色素 / エレクトロルミネッセンス / 有機発光ダイオード / 常温りん光 / 近赤外発光 |
研究開始時の研究の概要 |
2019年に世界で初めて実現された有機半導体レーザーは、様々な魅力的な応用が期待できるものの、現時点ではデバイスの安定性が極めて低いなど産業化に向けて多くの技術的問題点がある。本提案は、有機色素の性能を極限まで引き出し、極めて低いレーザー発振しきい値によるデバイスの低電流密度化や、長波長化による製造プロセスの簡易化および安定性向上を目指す。さらに非放射失活の抑制や、反転分布密度を大きくすることでの発振の実現などに挑戦し、有機材料の光増幅に対する主要因を見出し、新たな分子設計指針を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では,有機半導体レーザーを有機エレクトロニクスの新たな柱とすべく,新規レーザー材料創出や有機光化学の学理の探究およびデバイス開発を進めた。その結果,これまでよりも優れた発光特性および発振しきい値を示す材料の創出およびレーザーデバイスの開発に成功した。常温りん光からのレーザー発振については未だ不明な点も多いが,発光特性を向上させるための基礎的な知見を得ることができた。このように,将来の実用化を目指す上で重要となる有機レーザー技術に関する多くの進展が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の対象は有機レーザー色素の開発であるが,その中には様々な基礎科学に関する要素技術があり,それらについて様々な進展を得ることができた。例えば近赤外発光や常温りん光では非放射失活やスピン反転などの制御が重要であり,レーザー特性の向上のためには放射失活を最大化する必要があるなど,励起子過程に関する様々な課題に対して成果が得られた。さらに,デバイス化することで有機光化学に関するより詳しい知見を得るなど,基礎学理の深化に貢献する結果を導出できた。本研究で得られた知見が有機光電子デバイスの研究における技術革新につながる数々のシードとなり,未来社会に貢献すると期待される。
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