研究課題/領域番号 |
20K21237
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 洋治 京都大学, 工学研究科, 准教授 (20584840)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | メソポーラス材料 / 水素化触媒 / 還元チタニア / 水素化物 / 触媒 / メソポーラス / ナノ材料 |
研究開始時の研究の概要 |
水素化物材料は、そのポテンシャルは高いものの、形状・組成の制御は、合成面での未開発な点がネックとなっている。しかし、エネルギー関連の水素技術がますます重要になっている現在、水素化物材料の重要性はますます増すばかりである。本研究の目的は、水素材料の「不安定さ」を回避しながら、溶液法や気相法による新たな合成法を確立化し、様々なナノ・メソ構造の合成や、水素化物の内包、表面処理を可能とする。これにより、触媒、エネルギー、イオニクスなど様々な応用がヒドリド材料を中心に可能となる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、様々な水素化物のナノ・メソ構造を制御することである。本研究に関して、申請者の異動までの研究期間は一年未満であったが、それにも関わらず一定の成果を上げることができた。 特に力を入れたのが、高活性触媒でもある水素化合物BaTiO2.5H0.5、GdHOのメソポーラス化である。前者の材料では、様々なBa, Ti の前駆体を用いた合成を比較した結果、通常より高表面積のBaTiO3は生成できなかったが、BaドープTiO2のメソポーラス化には成功し、8倍程度表面積を増加させることができた。この後、水素化反応を施し、アンモニア合成触媒の活性を調べた結果、初期活性では22 mmol/g/hrという比較的高い活性が見られたのち、失活した。従来の還元TiO2は無活性であり、かつBaTiO2.5H0.5触媒では、3 mmol/g/hrという低い活性が持続する。本材料は両者の中間的な反応性を示しており、よって還元Ti種と水素化Ti種がどのような時に活性を示すのかを探るに適した材料系である。また、GdHOの前駆体であるメソポーラスに関しては、直径の30nm程度の中空Gd2O3粒子の集合体ができた。表面積は9m2/gと予想以上に低かったが、多孔質試料は形成できたので、さらなる条件最適化により、表面積が上がる可能性はある。 この他にも、空気に対して安定な水素化材料を得るべく、Na内包シリカゲルに対して、水素化反応を施し、NaH内包シリカゲルの合成を試みた。Na内包シリカゲル自体は、還元反応性を有しながら、大気中では安定である。水素化処理後、NaH・シリカゲル複合体の合成は確認できた。内包の度合いや、大気に対する安定性に関しては、申請者の異動と本プロジェクトの中止により検討できなかった。しかし、新しい大学で研究を再開するにあたり、十分な予備的成果を上げることができた。
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