研究課題/領域番号 |
20K21240
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分36:無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
近藤 篤 大分大学, 理工学部, 准教授 (60533619)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 吸着 / 多孔体 / 分離 / 酸素 / MOF / 多孔質材料 / 多孔質 |
研究開始時の研究の概要 |
酸素は、製鉄プロセス、化学プラント、ごみ処理、工業炉、石炭ガス化複合発電、非鉄金属精錬等幅広い分野で使用されており、国内ニーズは大きい。そこで、本研究では構造を設計・構築できる結晶性多孔質材料に着目し、酸素を選択的に吸着できる新規多孔質材料を開発する。本研究は大きく分けて下記2項目を検討する。1つは、多孔質材料において酸素との相互作用を制御する要因を明らかにすること、もう1つはそこで得られた知見を材料合成にフィードバックして、高機能な材料を開発することである。
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研究成果の概要 |
多孔性固体を用いた吸着分離により、空気から酸素を分離する手法の開発を目指し、設計性や多様性に優れた多孔質材料であるMetal-organic framework (MOF)を基軸として、酸素選択的吸着に寄与する構造的特徴を評価した。評価には、計算科学的手法を適用し、結晶構造データベースより構造モデルを抽出し、そのモデルを用いて酸素や窒素へのbindingエネルギーを見積もった。その結果、構造モデルにより同種の金属イオンにおいても小分子との相互作用に差が生じること、多くの金属イオン種において窒素選択的な性質を示すが、例外的に酸素選択性を示す金属イオンがあることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国土の狭い我が国にとって、コンパクトなオンサイト装置で酸素を製造できる技術は極めて有用である。小規模な酸素製造技術は、多孔質材料を用いた吸着分離法が挙げられる。しかし、これまで無数に開発されてきた多孔質材料はほとんどが酸素より窒素を選択的に吸着し、空気からの効率的な酸素分離は実現されていない。本研究は、この課題に対して、根本から解決するための化学を展開する。窒素に対する酸素選択性を有する材料開発に成功すれば、オンサイトの酸素製造技術につながる可能性があり、社会的な波及効果は大きい。また、効率的な酸素分離による省エネ・省コストにつながるため、多大なメリットを生む可能性をもつ。
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