研究課題/領域番号 |
20K21245
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
清尾 康志 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (20313356)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | スルホンアミド核酸 / アンチセンス核酸 / 配座固定 / スルホンアミド / 環状ヌクレオシド / CDスペクトル / 量子化学計算 / 架橋構造 / 人工核酸 / スルホンアミド結合 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、難病治療薬としてアンチセンス核酸(ASO)が注目されている。ASOは通常ホスホロチオエート結合(PS-結合)を有する。PS-結合は立体選択的合成が可能であり、核酸分解酵素に安定で、血中タンパク質と高い親和性を有するために体内での持続時間が長い。一方、高いタンパク質親和性に起因する、血小板減少、補体活性化、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)延長などPS-結合特有の副作用を示す。そのため、ASO中のPS-結合に置き換わり得る構造の探索が必要である。本研究では起案者が独自に設計した架橋型スルホンアミド核酸の合成法を開発し新規ASOの骨格としての有用性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では核酸のインターヌクレオチド結合をスルホンアミドに置換したアンチセンス核酸の標的RNA結合能を高めることを目指し、スルホンアミドを含むヌクレオシド残基の配座を固定化した環状スルホンアミドヌクレオシドの合成法を行った。デオキシウリジンの5'位と塩基部に各々スルホニルトリアゾール基とアジド基を導入し、アジド基を還元し、目的とする環状スルホンアミド構造を構築した。得られた環状ヌクレオシドの配座は糖部がS型に塩基部がanti型に固定化されていた。また、ここで開発してスルホニルトリアゾールの構築方を応用し、2'水酸基にスルホニルアルキル基を有する人工核酸の合成も併せて達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では人工核酸にスルホンアミド構造を導入するための新規合成法を開発し、当初の目的通り環状構造をもったスルホンアミドヌクレオシドの合成に成功した。また合成したヌクレオシドの配座を調べ、ヌクレオシドの糖部と塩基の配向を同時に固定化されていることも明らかにした。また本研究で開発したスルホンアミド構造形成反応を2'位やヌクレオチド間結合にスルホンアミドを有する人工核酸の合成に応用し、その汎用性を確認した。本研究の成果は人工核酸に様々なスルホンアミド修飾を導入するために有用な基礎研究であり、核酸医薬の発展など医療・生命科学の分野への更なる展開が期待される。
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