研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、ヒトの死後法医検体を、形態を保持したまま高度に透明化し、ケミカルプローブを利用して高解像度かつ網羅的に受傷臓器を3Dイメージングすることで、正確な死因部位を網羅的に探索可能な新規死因究明法の確立を目的とする。様々なヒト組織検体に適用可能な拡張性の高い組織透明化手法を開発し、わずかな血管破綻部位も高感度に検出することで、DNA鑑定に匹敵する犯罪捜査における世界標準の死因究明技術を開発する。
本研究は、ヒトの死後検体を形態を保持したまま高度に透明化し、高解像度かつ網羅的に受傷臓器を3Dイメージングすることで、正確な死因を特定する新規死因究明法の確立を目的とする。大きなヒトの死後検体に適用可能な新規透明化プロトコールの開発に取り組み、3-5㎝立方の大きな死後ヒト組織検体を高度に透明化することに成功した。また、皮質動脈破裂による硬膜下血腫の病変部位を用いて透明化・3Dイメージング解析を行い、皮質動脈破裂の検出に成功し、肉眼観察では見逃していた破裂も検出可能であることが分かった。肉眼及び2次元の組織分析では不可能であった破裂部位と周囲小動脈の3次元的な形態解析が可能となった。
本研究で開発する透明化試薬は、腐敗臭を有する検体にも適用できることから、腐敗・水死・ミイラ検体にも応用可能である。死因部位の網羅的な探索や凶器の特定、受傷経過時間の定量的解析により、世界標準の死因究明技術になることが期待できる。死因となりうる種々の臓器の網羅的高解像度イメージングにより、受傷部位・期間を特定することで、死因究明の精度が向上する。受傷部位の立体構造と凶器を照合することで、凶器の推定にも応用できる。様々なヒト組織検体に適用可能な拡張性の高い組織透明化手法を開発することで、DNA鑑定に匹敵する犯罪捜査における世界標準の死因究明技術となりえる。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 5件)
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