研究課題/領域番号 |
20K21256
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分37:生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
居原 秀 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60254447)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | イミダゾールジペプチド / 活性イオウ / 活性イオウ化イミダゾール / ヨードアセチルチロシンメチルエステル / 2-グルタチオニル-カルノシン / 2-システイニル-カルノシンパースルフィド / 2-システイ ニル-カルノシン / イミダゾール / カルノシン / 2-システイニル-カルノシン / レドックスメタボロミクス / 2-オキソイミダゾール |
研究開始時の研究の概要 |
不安定なレドックスメタボライトには、従来の生物学の概念を覆すような、様々な機能を有していることが明らかになっている。しかし、これまで発見されてきたレドックスメタボライトでは説明できない生命現象が多数存在し、未知のレドックスメタボライトの存在が示唆されている。本申請研究では、活性イオウ化イミダゾール化合物に着目したメタボロミクスの開発を目指す。本申請研究で得られる知見は、従来の生物学に新たな概念を導入するブレークスルーとなり、生物学を飛躍的に発展させる潜在性を有する。
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研究成果の概要 |
試験管内で活性イオウ分子種、チオール化合物、カルノシンを反応させると、様々なイオウ含有カルノシン誘導体が産生された。LC-MS/MS解析で、ラットの脳中に新規に2-システイニル-カルノシン[Cys-Car]、 2-システイニル-カルノシンパースルフィド[Cys-Car]、 2-グルタチオニル-カルノシン [GS-Car]が同定された。GS-Carは、前駆体カルノシンの1/1000、酸化体である2-オキソカルノシンの10倍存在し、加齢に伴い減少していた。さらに、CysS-Car、CysSS-Car、GS-Carの抗酸化活性は、前駆体であるカルノシンよりも100倍以上高かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体内には様々な代謝物が存在しているが、すべてが同定されているわけではない。レドックス活性を持つ代謝物は、不安定なため解析が困難で、生体内での存在様式、動態など不明な点が多い。しかし、レドックス代謝物は、近年急速に進歩しつつあるレドックスバイオロジー分野において新たな知見を提供し、生物学の発展に大きく貢献するブレークスルーになると期待されている。本研究では、従来から生理活性が注目されている「イオウ」と「イミダゾール化合物」に着目し、レドックス活性を持つ新規の抗酸化物質を同定している。この発見は、動物の酸化ストレス耐性メカニズムの解明につながり、人類の健康増進、疾病予防に貢献すると期待される。
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