研究課題/領域番号 |
20K21261
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原田 昌彦 東北大学, 農学研究科, 教授 (70218642)
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研究分担者 |
保科 宏道 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 上級研究員 (10419004)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | テラヘルツ / アクチン / 細胞核 / テラヘルツ光 / ゲノム機能 / 細胞機能 / 核内アクチン / クロマチン / ヒストン |
研究開始時の研究の概要 |
ヒストンや核内アクチンの会合と解離のダイナミクスが、遺伝子発現やDNA損傷修復を制御している。したがって、これらのダイナミクスの操作により、様々なゲノム機能の人為的な制御が可能になると期待されている。本研究では、特定波長の高強度テラヘルツ(THz)光の細胞への照射によって、このようなタンパク質会合体のダイナミクスを制御することによって、ゲノム機能を操作する新規手法の開発を行うことを目的とする。THz光は、照射している間には細胞に均等に作用させることができ、照射を止めることで作用を容易に解消することができ、また様々な生物に普遍的に利用可能であることが期待される。
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研究成果の概要 |
アクチン水溶液へのテラヘルツ光照射では、波長などの条件を変化させて照射を行い、アクチン繊維形成への影響を解析した。その結果、テラヘルツ照射条件下でアクチン繊維形成が促進されることが示された。テラヘルツ光照射装置と顕微鏡装置を組み合わせた装置を開発した。テラヘルツ光照射による生細胞内のアクチン繊維の変化を解析し、細胞質のアクチンの繊維化が促進されることが示された。さらに、テラヘルツ光照射が、細胞質分裂の進行を阻害することが示された。これらの発見は、将来的なテラヘルツ光の医療応用にもつながるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真核細胞において、ゲノムは細胞核内でヒストンと結合してクロマチンを形成しており、このクロマチン構造の変換がゲノム機能制御の基盤となっている。細胞核内のアクチン繊維は、クロマチンと結合してクロマチン構造変換に関わることで、ゲノム機能制御に関与している。したがって、核内アクチン繊維を人為的に制御することによって、ゲノム機能を制御する新規技術基盤を確立することができると期待される。さらに、テラヘルツ光の医学分野での応用可能性を示唆している。
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