研究課題/領域番号 |
20K21265
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
喜田 聡 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (80301547)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 食記憶 / 記憶エングラム / 食認知制御 / 食行動 / 食嗜好性 / 食物価値 / 食経験 / 前頭前野 / 食認知行動制御 / 認知制御 / 記憶固定化 / 脳領野 / マウス |
研究開始時の研究の概要 |
食物の価値(好き嫌い、嗜好性の順位)は、食経験、環境、加齢、知識等により刻々と変容し得る。従って、食物価値の決定と変容機構の解明は、生活習慣病等のリスクの高い食習慣(食嗜好)を矯正・改善する方法の開発に貢献できると考えられる。そこで、マウス食物価値変容モデルを用いて、食物を記憶するエングラム細胞・回路を網羅的に同定し、光遺伝学を用いて介入操作することで、食記憶に基づき食物価値を決定し、変容する機構を解明する。
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研究成果の概要 |
食物新奇性恐怖モデル、食物留保モデルといったヒトをモデルとしたマウスの食行動課題を確立した。これらの課題を用いて、チーズ摂食後の食記憶エングラムを構成する神経ネットワークの同定を試みた。免疫組織染色法を用いて神経活動依存的な遺伝子発現解析と数理学的解析を併用した結果、チーズ摂取後には神経活動依存的遺伝子発現が顕著に誘導され、前頭前野を中心とする神経ネットワークに食記憶エングラムが存在することが強く示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
嗜好性の高いチーズ摂食によりマウスに強い記憶が形成されることが示唆された。このような強い食経験の記憶形成が経験依存的な食の嗜好性変容に強い影響を与え、我々の食習慣の形成の源となっていると考えられる。食習慣は生活習慣病を代表とする多様な疾患の環境要因となっているため、本研究が継続されることで、食習慣が形成される心理メカニズムが明らかになれば、将来的には疾患リスクの高い食習慣を矯正・改善する方法の開発に貢献できるものと考えられる。
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