研究課題/領域番号 |
20K21267
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
山田 哲也 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20422511)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | バイオ肥料 / バチルス属プミルス種 / 接種効果 / イネ / 内生微生物叢 / メタゲノム解析 / ストレス耐性 / ゲノムワイド関連解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、バイオ肥料の原体微生物であるバチルス属プミルス種(TUAT1株)の接種効果の現れ方が種子の吸水温度や品種の違いによって異なることの原因を、接種直前のイネ種子における内生微生物叢構造の違いという観点から明らかにする。具体的には、約100種類のイネ品種の種子を15℃または25℃で吸水させ、TUAT1株の接種効果の違いを検出し、接種直前の種子の内生微生物叢構造の違いとの間の関連性を確認する。また、接種効果と内生微生物叢構造に品種間差を生じさせているイネ側の原因遺伝子群をGWASにより検出し、各遺伝子の機能を逆遺伝学的手法で明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、イネ11品種を対象として吸水後の種子の胚についてメタゲノム解析を行い、胚に定着する内生細菌の種類や存在量を推定するとともに、それらの品種間差を確認した。また、それら11品種の実生で確認されている吸水種子へのバイオ肥料原体微生物(Bacillus pumilus TUAT1株)の接種による成長促進効果と胚に定着する特定の内生細菌の存在量との間に高い正の相関があることを明らかにした。さらに、イネ70品種を対象として内生細菌の存在量とBacillus pumilus TUAT1株の接種効果についてゲノムワイド関連解析を行い、両形質への関与が示唆される遺伝子が存在する染色体領域を検出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、植物に定着する内生細菌の存在量とBacillus pumilus TUAT1株のような植物成長促進根圏細菌(PGPR)の接種効果との間に関連性があることを明らかにした。また、植物には内生細菌の存在量を制御し、PGPRの接種効果に影響を及ぼす遺伝子が存在することが示唆された。これらの知見は、PGPRを原料としたバイオ肥料の施用効果が作物の品種や栽培地域の違いによって異なることの原因を明らかにし、より安定的かつ高い効果が現れる品種や施用技術を開発するための研究に役立つと考えられる。また、そのような品種や技術の開発は、農業の脱炭素化による持続性向上に貢献することが期待される。
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