研究課題/領域番号 |
20K21272
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中道 範人 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (90513440)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 植物 / 遺伝子重複 / キナーゼ / CK1 / CKL / リン酸化 / 近接タンパク質ラベリング / プロテオミクス / 阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
我々が開発したユニークな植物のタンパク質リン酸化酵素(カゼインキナーゼ1 :CK1) の阻害剤や, 化合物との結合状態に基づいて人工設計するCK1を利用したプロテオミクス解析によって, 遺伝的重複性が障壁になって不明な点の多いシロイヌナズナのCK1ファミリーの関わる生理現象を明らかにする. 本研究の成果は, 遺伝的重複性が問題となって解析が遅れている植物の多くのキナーゼの機能解明へ向けたプロテオミクス研究のモデル系となる.
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研究成果の概要 |
これまでに我々は、阻害剤を用いた解析、プロトプラストでの多重遺伝子ノックダウン法を用いた解析から、CKL(Casein Kinase 1-like)遺伝子群はシロイヌナズナの概日時計調節に関わることを報告してきた。しかし、CKLが時計以外の生理現象に関わることはあまり知られていない。本研究では、改変型CKLを作成し、そのCKLを発現する植物体のプロテオミクスを実施することなどでリン酸化基質を同定し、最終的にはCKLの関わる生理現象を明らかにすることを目的としていた。 材料の作成で、想定外の問題にあたったが、部分的には乗り越えることができたため、これらの材料をつかった基質の同定が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の発生・生理・代謝などあらゆる生命現象の分子機構は, おもに変異体スクリーニングを起点とする遺伝学と原因遺伝子の解析から進められてきた. 順遺伝学の弱点として遺伝学的冗長性のある遺伝子を生命現象の鍵因子として発見しにくい. 現存する植物は染色体倍加の過程を経ており, 重複機能をもつ遺伝子が多く存在していると考えられる. 本研究は, プロテオミクス解析によってCK1の基質タンパク質およびCK1の関わる生理機能を網羅的に同定することを目指した. このようなアプローチは, 重複性の問題だけでなく, タンパク質翻訳後修飾を俯瞰する上で重要な取り組みとなろう.
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