研究課題/領域番号 |
20K21274
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小川 順 京都大学, 農学研究科, 教授 (70281102)
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研究分担者 |
竹内 道樹 京都大学, 農学研究科, 特定助教 (40766193)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | デオキシリボヌクレオシド / リボヌクレオチド還元酵素 / DNA / リボヌクレオシド還元酵素 / 遺伝子破壊 |
研究開始時の研究の概要 |
DNA分子の起源をRNAとするRNA起源説には、いくつかの問題点が存在するものの、他に有力な仮説がないことから、広く受け入れられている。本研究では、RNA起源説に一石を投ずるべく、すべての生物に共通でRNAからのDNA合成の鍵酵素である「リボヌクレオチド還元酵素(RNR)」を欠損する大腸菌を構築する。さらに、「新規DNA合成経路の探索・機能検証」の成果を互いにフィードバックさせることで、生命分子起源における新たな仮説の提案を試みる。加えて、見いだされる新規dNS生合成経路を、dNSの新規製法デザインに展開する。
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研究成果の概要 |
すべての生物に共通でRNAからのDNA合成の鍵酵素である「リボヌクレオチド還元酵素(RNR)」を欠損する大腸菌の構築に成功した。本菌の栄養要求性を検討したところ、デオキシリボヌクレオシド(dNS)のうち、デオキシシチジン(dC)を要求し、さらに、数種のビタミン類を必要とすることが観察された。 デオキシリボヌクレオシド合成経路の遺伝子を発現する破壊株を用いて、dNS合成能について評価したところ、デオキシウリジンの合成に成功したが、dCは合成できなかった。 dNS要求性株を用いたバイオアッセイにより、新規デオキシリボヌクレオシド合成微生物を探索したが、新規経路を有する菌株は見出せなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原始地球上にRNAが最初に存在したと仮定するRNAワールド仮説は、広く信じられている。地球上のすべての生物は、リボヌクレオチドの還元反応によりDNAの構成分子を酵素合成する。本反応を触媒する酵素がribonucleotide reductase(RNR)であり、RNA仮説における「DNAはRNAに由来する」とする説の中核を担っている。本来必須遺伝子とされるRNR遺伝子を破壊し、かつ、新たなdNS生合成系により太古の自然環境に存在しえた化合物からDNAを生合成し生育しうる生物を構築できれば、DNAがRNAに由来するというRNA起源説に一石を投じるとともに、新たな生命分子起源説を提案しうる。
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