研究課題/領域番号 |
20K21275
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
本田 孝祐 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (90403162)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 菌叢解析 / ペプチド核酸 / 細胞膜透過ペプチド / microbiota / cell penetration peptide / puptide nucleic acid / peptide nucleic acid / 菌叢 / 減算的制御 / Casヌクレアーゼ / マイクロバイオータ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ヒト体内や環境中に存在する微生物群集(マイクロバイオータ)の働きが、我々の健康や地球上の元素循環に極めて重要な役割を及ぼすことが知られ始めている。本研究では、こうしたマイクロバイオータ研究の発展に貢献すべく、減算的アプローチによるマイクロバイオータの制御・解析技術、すなわちマイクロバイオータを構成する微生物群のうち特定の属種だけを選択的に取り除くための新規技術の開発を目指す。マイクロバイオータの人為的機能改変に応用可能な新規技術の提供により、合成生態学とも呼ぶべき新たな学術分野を創出することを本研究の究極的な目標とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、微生物群集(菌叢)を構成する細菌のうち、特定の属や種の細菌に対してのみ特異的に細胞死を誘導し、菌叢の構成菌種を減算的に制御する技術の開発に取り組んだ。研究開始当初、cell penetration peptide (CPP)を付与したCasヌクレアーゼによる細胞死誘導を試みたが、十分な効果を確認するには至らなかった。そこで、Casヌクレアーゼよりも大幅に小さな分子であるペプチド核酸(PNA)を用いた細胞死誘導に取り組んだ。この結果、2~8 μMのCPP融合PNAによって大腸菌やPseudomonas属細菌に対して、細菌選択性を伴った細胞死誘導効果を確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト共生微生物群集研究の発展などを契機に、近年、微生物群集(菌叢)の機能に注目が集まっている。当該分野では、純粋培養した微生物種を組み合わせて作成された人工菌叢を用いる再構成的研究によって、一定の成果が得られつつあるが、減算的アプローチによる菌叢解析技術、すなわち既存の既存の菌叢から特定の微生物種だけを取り除くための有効な方法論が存在しなかった。本研究で開発されたCPP融合ペプチド核酸による選択的細胞死誘導技術は、こうした現状を打破する基盤技術のひとつと位置づけられ、菌叢中の微生物間相互作用の直接的観察を可能にするなど、当該分野に大きなインパクトをもたらすものとなりうる。
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