研究課題/領域番号 |
20K21285
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
山地 亮一 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 教授 (00244666)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
|
キーワード | 脂肪酸アミド / オレアミド / 骨格筋 / 小腸 / リンパ管 / 門脈 / 脂肪酸アミド加水分解酵素 / リンパ / 一級脂肪酸アミド / 筋管細胞 / mTORシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
一級脂肪酸アミドであるオレアミドは100 nMで骨格筋細胞のmTORシグナルを活性化して筋肥大させ、またオレアミドはGタンパク質共役受容体の一種に作用するが、既知の経路とは異なる機構でmTORシグナルを活性化することを見出した。さらにオレアミド摂取は運動不足マウスの骨格筋でmTORシグナルを活性化し、筋萎縮を抑制することも見出した。オレアミドの様々な効果は先行研究では数10 μMレベルで評価され、生理的濃度(40―800 nM)とかけ離れていた。本研究では、オレアミドを脂質メディエーターとして位置付けるため、生理的濃度範囲でオレアミドが作用する筋肥大に関する新規の分子機構を解明する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、一級脂肪酸アミドのオレアミドが生理的濃度範囲で筋肥大を誘発する分子機構に関する情報を得るとともに、オレアミドの吸収機構、生体内における蓄積組織とそこでの作用について検討した。オレアミドはCB1を介したmTORシグナルの活性化により筋萎縮抑制作用を発揮した。さらにオレアミドは長鎖脂肪酸トランスポーターのCD36を介して小腸上皮細胞に取り込まれ、細胞内で脂肪酸アミド加水分解酵素によって代謝された。また代謝を回避したオレアミドはアルブミンと結合して小腸から門脈経路を介して全身へと輸送された。オレアミドは白色脂肪組織に蓄積し、腹部白色脂肪量を減少させた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オレアミドの血中濃度は100ー1000 nMであるのに対して、in vitro 研究では数10 μMレベル(例えば抗炎症効果は50 μM以上)で機能が評価されており、これらの濃度のギャップが脂質研究での一級脂肪酸アミドの質の学術的発展を停滞させてきた。しかし本研究成果は、オレアミドが体外から体内に取り込まれる際に大半が小腸上皮細胞内で代謝されることを示し、また代謝を回避したオレアミドが蓄積する組織とそこでの機能を明らかにすることを証明し、生化学・栄養化学の脂質分野におけるオレアミドの新規の概念を提言する学術的意義を持つ。
|