研究課題/領域番号 |
20K21291
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
杉本 真也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60464393)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | アミロイドーシス / パーキンソン病 / アルツハイマー病 / 機能性アミロイド / 腸内細菌 / チオフラビンT / 透過型電子顕微鏡 / 大腸菌 / 透過電顕 / Seeding活性 / シーディング効果 / アミロイド / Curli / 分泌装置 / スクリーニング / アミロイドβ / 薬剤スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
進行性の認知症や運動機能の低下を引き起こす神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病など)は、社会の高齢化にともない増加の一途をたどっており、その発症機序の解明と予防法・治療法の開発は喫緊の課題である。多くの微生物は、バイオフィルムの形成や宿主への感染に重要な役割を果たす機能性アミロイドを菌体外に産生する。本研究では、特定の腸内細菌が産生する機能性アミロイドが、腸管などの末梢組織から中枢神経や全身に移行し、宿主のアミロイド前駆体タンパク質の構造変換を触媒することで、神経変性疾患を発症させるという新たな仮説を検証する。
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研究成果の概要 |
我々は、神経変性疾患患者で優位に増加する細菌の機能未知タンパク質が、大腸菌の機能性アミロイド構成タンパク質と相同性を示すことを見出した。Alpha-Fold 2によってアミロイド線維を形成することが示唆された本タンパク質のC末端ペプチドが、チオフラビンT陽性のアミロイド様凝集体を形成することを分光学的解析と電子顕微鏡観察によって確認した。このC末端ペプチドのアミロイド様凝集体は自身のアミロイド線維形成を促進する活性を有するが、アミロイドβペプチドに対しては示さなかったことから、この効果は分子種特異的であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、腸内細菌は数万種類存在すると推定されており、ヒトの健康や様々な疾病に影響を及ぼすことが分かってきた。しかし、腸内細菌の大部分は難培養性であり、かつ膨大な種類の腸内細菌が生成する機能性アミロイドについてアミロイド線維の形成を検証したり、ヒトや実験動物でアミロイドーシス発症との関連を検証したりすることは困難である。本研究では、機能性アミロイド候補の探索・評価法を確立した。本研究で得られた成果は、マウスやヒトを対象とした研究の基盤となり、機能性アミロイドの産生を特異的に阻害する、あるいは特異的な腸内細菌を選択的に除菌するといった新たな疾病予防法の確立にも繋がる可能性がある。
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