研究課題/領域番号 |
20K21295
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分38:農芸化学およびその関連分野
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
和穎 朗太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (80456748)
|
研究分担者 |
長尾 眞希 (浅野眞希) 筑波大学, 生命環境系, 助教 (80453538)
井上 弦 長崎総合科学大学, 総合情報学部, 准教授 (30401566)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 土壌団粒 / 炭素循環 / 窒素循環 / 土壌有機物 / 同位体生態学 / 生物地球化学 / 土壌炭素隔離 / 物質循環 / 土壌炭素 / 地球温暖化 / 団粒 / 有機無機複合体 / アルミニウム / 土壌構造 / 温暖化 / 炭素隔離 / 凝集体 / 同位体トレーサー / 土壌窒素 / XPS(X線高電子分光) / 団粒構造 / 温暖化緩和 / 肥沃度 |
研究開始時の研究の概要 |
植物が生育する土壌は「団粒構造」をもつ。これは、ナノからミクロサイズの構成物質(有機物、鉱物)の結合によって形成される、多孔質で動的変化を伴う3次元構造である。この物理構造が、「反応の場」となり土壌の担う物理、化学、生物学的な諸機能を可能にしている。
本研究では、同位体元素や元素の化学結合状態をサブミクロスケールで測定できる先端分析技術と、我々が培ってきた団粒階層構造の評価手法を組み合わせることで、物質循環の要である微生物による有機炭素・窒素の代謝を、土壌団粒構造という物理環境に則して定量的に評価することに挑戦する。
|
研究成果の概要 |
植物が生育する土壌は団粒構造を持つ。本課題では、黒ボク土を対象に標識アミノ酸添加培養・土壌物理分画実験を行い、土壌微生物の駆動するCN動態は土壌団粒の階層構造の影響を受けていることを初めて明らかにした。また、団粒最表面の有機・無機成分の化学組成変化の規則性、数百年以上埋没した黒ボク土の有機無機複合体と団粒構造の関係性、酸化還元履歴が複合体に及ぼす影響について新知見を得ることができ、国際誌に発表した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
陸上最大の炭素(C)や窒素(N)プールである土壌において、微生物によるCN代謝は物質循環の要であるが、これまでの研究では、微生物の住み家であり土壌諸反応の場である団粒構造はほとんど無視されてきた。また、団粒や土壌粒子の最表面(反応面)で生じる有機物と無機物の相互作用について知見に乏しい。同位体標識CNのトレーサー実験、同位体顕微鏡分析、これまで我々が培ってきた団粒階層構造の評価手法を組み合わることで得られた本成果は、CN代謝を団粒構造という物理環境に則して定量評価する新手法であり、土壌CN動態予測モデルの高度化、更に土壌における物理学・化学・生物学の融合に向けた重要な成果と言える。
|