研究課題/領域番号 |
20K21303
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
妹尾 啓史 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40206652)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 一酸化二窒素ガス / 畑土壌 / 排出削減 / 菌食性土壌動物 / ココナッツハスク / 糸状菌脱窒 / 温室効果ガス排出削減 / 発生削減 / 土壌微生物 / 土壌動物 / 温室効果ガス削減技術 |
研究開始時の研究の概要 |
農耕地土壌は温室効果ガスである一酸化二窒素(N2O)の大きな発生源である。本研究では、「ササラダニ等の菌食性土壌動物が、N2Oを生成する土壌微生物を摂食することによってN2Oガスの発生を低減している」という萌芽的発見について、各種の土壌や肥料において起こる普遍的な現象であるのかを検証する。さらに、菌食性土壌動物が土壌中で集積・増殖を行う「住み家」としての効果が高い素材を探索する。本研究は、農業現場に普及する安定的で簡便なN2O削減技術に結びつき、地球環境保全に大きく貢献する。
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研究成果の概要 |
農耕地土壌は温室効果ガスである一酸化二窒素(N2O)の大きな発生源である。土壌に施用された肥料に含まれる窒素が土壌微生物によって形態変換される過程で発生する。本研究では、「ササラダニ等の菌食性の土壌動物が、N2Oを生成する土壌微生物を摂食してN2Oガスの排出が低減している」という我々の発見について、各種の土壌や肥料において起こる現象であるかどうかを検証した。その結果、ササラダニの住み家となるココナッツハスクの施用は、各種の土壌中のダニ個体数を増加させ、有機質肥料由来のN2O排出を低減することが示された。化学肥料由来のN2O削減や、他の素材の住み家としての効果についてはさらに検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農耕地土壌は温室効果ガスの一つである一酸化二窒素(N2O)の大きな人為的排出源であり、その排出削減は世界的急務である。しかし、農業現場に普及する安定的で簡便な削減技術はこれまでになかった。本研究から、ココナッツハスクの施用により菌食性土壌動物を増加させ、有機質肥料の施用に由来するN2O排出を削減する技術は、土壌の種類や場所の異なる農耕地において広く有効であることが示唆された。また、尿素肥料施用に由来するN2O排出の削減にも有効である可能性も示された。本研究により、土壌生態系機能を簡便な方法で制御してN2O発生削減に結びつける斬新な技術の基盤を構築でき、地球環境保全への大きな貢献が期待できる。
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