研究課題/領域番号 |
20K21306
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
樋口 洋平 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00746844)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | ハス / 節 / 開花 / 貯蔵器官肥大 / フロリゲン / チューベリゲン / 維管束組織 / 花成 / 栄養貯蔵器官 / FT |
研究開始時の研究の概要 |
ハスの開花や地下貯蔵器官(レンコン)の形成機構を明らかにするため、花成・塊茎形成ホルモン(フロリゲン・チューベリゲン)をコードする遺伝子を網羅的に探索した結果、これら遺伝子は地下部の“節”(せつ)部において開花や根茎肥大と連動してダイナミックな発現変動を示していた。本研究では、これまでほとんど解析されていないハスの節の内部構造、およびそこでの網羅的遺伝子発現プロファイルを明らかにすることにより、環境情報統合およびシグナル物質生産・分配の中枢器官としての節の役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
ハスの開花や地下貯蔵器官の形成機構を明らかにするため、ハス地下茎の“節”部に注目し、網羅的遺伝子発現解析と節部の内部構造の解析を行った。連続開花性品種‘MAYR’と難開花性品種‘OURS’を用い、無菌培養ハス、および野外で栽培したハスの地下組織(節、節間)における網羅的発現解析を実施した。その結果、先行研究で注目していたフロリゲン/アンチフロリゲンおよびチューベリゲン候補遺伝子であるNnFT2, NnBFT1, NnFT3に加え、新たにNnFD2とNnMFTが根茎肥大と連動して発現変動することを見出した。また、組織学的解析から節内部の維管束組織の3次元構造を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、フロリゲンやチューベリゲン等の植物の成長相転換に関わるシグナル因子の発現が、植物体地下部の節で制御されていることを詳細に解析した初の報告となる。一般的に植物は光周期等の外環境の変化を葉で感知し、葉の維管束組織でシグナル物質が合成され、その後成長点へと分配されると考えられてきたが、今後は節内部の維管束組織に注目し、マーカー遺伝子の発現解析等を実施する必要がある。本研究で得られた知見を利用することで、さまざまな植物・作物の開花制御機構の理解が進むとともに、節などに注目した植物体の局所温度管理により画期的な栽培技術の開発に繋がる可能性が期待される。
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