研究課題/領域番号 |
20K21316
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
徳田 誠 佐賀大学, 農学部, 准教授 (60469848)
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研究分担者 |
鈴木 義人 茨城大学, 農学部, 教授 (90222067)
鄭 紹輝 佐賀大学, 農学部, 教授 (90253517)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ダイズ / ツルマメ / ホソヘリカメムシ / フェノロジー / 継代効果 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は様々な手段で植食者から身を守っており、中には世代を超えて発現する防御も知られている。カメムシ類の食害によるダイズの青立ち被害の研究過程で、加害された植物の次世代の開花・結実時期が早期化するという現象を発見した。この実験では蕾~花の時期にのみカメムシに加害させているため、エピジェネティックな変化が生じ、種子を介して次世代に影響したと考えられる。本研究では、このメカニズムを解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
カメムシが寄主植物に植物ホルモンなどを注入することにより代謝を撹乱している可能性や植物が昆虫からの被害を回避するため適応継代効果を示す可能性に着目し、ダイズ害虫ホソヘリカメムシの体内に含まれる植物ホルモンを分析し、ダイズの原種ツルマメを用いてカメムシの加害が当世代および次世代に及ぼす変化に着目して研究を実施した。ツルマメの栽培実験では、ダイズと同様に結実時期の遅延、不稔莢率の増加などが確認された。加害試験で得られたツルマメの種子を用いて次世代の形質を比較した結果、カメムシ加害株由来の次世代では結実が有意に早まり、総莢数や総種子数が減少した。一方、1粒あたりの種子の平均重量は増加した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、カメムシによるマメ科植物の操作やそれに対する植物側の防御応答を明らかにした。今回確認された昆虫の加害を受けた植物の次世代における種子形成フェノロジーの変化は極めて稀な現象である。今後、青立ち現象の詳細なメカニズムや、次世代で見られた被食防御応答の詳細が明らかにできれば、ダイズにおける害虫被害の軽減や、マメ科作物における一斉登熟性の付与や種子品質の向上などに貢献できる可能性がある。
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