研究課題/領域番号 |
20K21318
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分39:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 龍谷大学 (2021-2022) 大阪府立大学 (2020) |
研究代表者 |
三柴 啓一郎 龍谷大学, 農学部, 教授 (70390888)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | DNAメチル化 / 遺伝子導入 / プロモーター / リンドウ / タバコ / レタス |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者は組換えリンドウやレタスの解析により、35Sプロモーター配列に特異的なDNAメチル化を伴う発現抑制を見出し、CHH配列の高メチル化を指標にDNAメチル化の誘導に関与する2領域を同定している。本研究では、これら2領域に含まれる配列の検証と改変によるDNAメチル化に対する抵抗性を有するプロモーターの開発を目指す。そこで、DNAメチル化に寄与する配列をリンドウやレタスの核因子との結合能の解析により推定し、候補配列を改変したプロモーターを園芸植物に導入してDNAメチル化の影響を調査する。本研究により、遺伝子導入が困難な植物種や、導入遺伝子の発現が減衰する問題に対する技術革新が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は非モデル植物の外来遺伝子発現を安定させるDNAメチル化抵抗性プロモーターの開発を目的に、35Sプロモーター配列のDNAメチル化誘導機構の解明を試みた。 種々の改変35Sプロモーター配列をシングルコピーで導入した組換えリンドウやタバコを作出し、DNAメチル化解析を行った。その結果、35Sエンハンサー領域内の214塩基の重要性が確認された。さらに、非改変35SプロモーターではDNAメチル化の誘導がみられないタバコにおいて、転写活性の喪失によるDNAメチル化の誘導が確認された。これらの知見により2種間に共通したDNAメチル化誘導機構が示唆され、新規プロモータ開発への重要な足掛かりとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
35Sプロモーターはモデル植物で広く利用されている一方で、一部の植物種では期待通りに高発現せず、一定期間後に発現が減衰することが知られている。形質転換が困難な植物種では、潜在的に選抜マーカー遺伝子のDNAメチル化による発現抑制が生じることも指摘されている。このような問題を解決するために、本研究ではDNAメチル化の遮断により遺伝子発現の減衰を防ぐ、という発想に基づいた、DNAメチル化抵抗性プロモーターの開発を目指している。本研究で得られた知見は、外来遺伝子導入における技術革新や、高等植物がウイルスなどの外来のDNA配列に対して、ゲノムの恒常性を維持するための知見獲得につながると考えている。
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