研究課題/領域番号 |
20K21329
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
甘糟 和男 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (80452043)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 魚種判別 / 魚群探知機 / スペクトル / 機械学習 / 高分解能魚群探知機 / 魚群エコー |
研究開始時の研究の概要 |
適切な漁獲や正確な資源量推定を可能とするために、魚群探知機に映った魚群の魚種を判別できるようにしたい。そこで本研究では、魚種ごとに異なると考えられる魚群の内部構造に注目し、高分解能な魚群探知機を使用して魚群内部の個々の魚まで観測できるようにする。さらに、内部構造の特徴量(魚の個体間距離、推定体長、遊泳行動など)を抽出し、魚群によって内部構造の特徴量に規則性やパターンがあるか機械学習手法の一つである「教師なし機械学習」によって明らかにする。これにより、魚群探知機による魚種判別へ道を開く。
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研究成果の概要 |
本研究では高分解能魚群探知機を使用することにより,魚群の内部構造まで観測した。魚群の特徴量としてエコーエンベロープ波形の振幅スペクトル,エコー強度スペクトル,エコー強度の変動スペクトル,魚群形態を抽出し,いくつかは魚種判別に有用な情報であることを確認した。また,エコー強度スペクトルを正確に求めるための高速フーリエ変換の窓サイズを明らかにし,解析手法を高度化した。魚群の内部構造まで観測できたが,分布深度や密集具合によっては難しいことも明らかとなった。魚群形態情報を使用し,教師なし機械学習による魚群エコーのクラスタリングを試みたが,適切なクラスター数を決定することは困難であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高分解能魚探は魚種判別に道を開くと期待されてきたが,特徴量の抽出についてはエコーデータの処理方法も含めて未だ十分に研究がなされていない。その点,本研究は複数の特徴量を抽出し,魚種判別に有用な情報となることを確かめた。また,エコー処理方法の高度化もしている。魚種との対応付けが不十分であったが,魚種判別問題の解決に資する研究成果であり学術的意義がある。 魚種判別手法は,魚群探知機を使用した効率的な漁獲および正確な資源量推定に必要である。魚探による魚種判別技術の確立は「水産資源の保全(管理)と持続的な利用」すなわち食料の安定供給に寄与するものであり,ここに本研究成果の社会的意義がある。
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