研究課題/領域番号 |
20K21330
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分40:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平野 恭弘 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (60353827)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 樹木根 / 細根 / 地中レーダ / 森林土壌 / 人工林 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、樹木の細根について森林土壌中の生態を非破壊に明らかにするため、1. 地中レーダを用いて森林土壌中の「細根の可視化」は可能か? 2. 可視化可能な最小直径をもつ細根から、形態や成長の生態プロセスを推定することが可能か?について明らかにすることである。細根は土壌中に設置されたカメラなどで観察されてきたが、設置時に100年で厚さ1㎝形成される土壌層の破壊を伴うため、土壌を破壊することなく細根生態を評価することは不可能であった。細根の可視化という挑戦的な研究結果は、森林生態系の炭素循環において未解明な細根の貢献度を飛躍的に明らかにできる可能性を持つ。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、森林の炭素循環を評価する上で最後のブラックボックスである樹木細根の生態を非破壊に明らかにするため、1. 超高周波数の地中レーダを用いて土壌中の細根の可視化は可能か? 2. 可視化可能な最小直径をもつ細根から、形態や成長の生態プロセスを推定することが可能か?について明らかにすることである。根を非破壊で検出しうる地中レーダ法で近年2700 MHzという超高周波レーダが実用化された。超高周波地中レーダを用いて土壌に再埋設した直径1 mmから10 mm以下の根を非破壊探査した結果、直径5 mm以上の根は高い確率で検出されたが、細根の定義である2 mm以下の根は検出されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
樹木の根は樹体支持の太い根と養水分吸収を担う細根に分類される。細根は直径2 mm以下の根と定義され、光合成産物のうち2割から7割もが細根に配分される。細根生態を明らかにすることは森林の炭素循環を評価する上で極めて重要であるが、森林生態系における最後のブラックボックスといわれるほど未解明である。根を非破壊検出しうる地中レーダで近年実用化された超高周波地中レーダを用いた結果、本研究では細根の定義である直径 2mm以下の根は検出できなかったが、直径5 mm以上の根が高い確率で検出された。掘らなければ見えない土壌中の空隙など構造や根特性など可視化の可能性が開けた意義は大きい。
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