研究課題
挑戦的研究(萌芽)
脊椎動物の骨や歯の硬組織はリン酸塩を主成分とし、炭酸塩も5-10%含まれる。この微量な炭酸塩の酸素同位体比は、変温動物であれば生息環境の温度を、恒温動物であれば体温を記録するので、その積極的な活用が可能になれば新たな生態情報の抽出が実現できる。本研究は、微量炭酸塩同位体比分析システム(世界で最も微量で同位体比分析が可能)の改良を行い、先行研究で未踏の魚類硬組織(骨・歯など)の酸素同位体温度指標の確立を目指す。魚類の硬組織の同位体比から魚類の回遊や生態の履歴を復元することで、水産資源管理や魚類生態学に重要な情報を得ることができる。
脊椎動物の骨や歯の硬組織はリン酸塩を主成分とし、数%の炭酸基を含んでいる。これを構造炭酸塩と呼び、構造炭酸塩の酸素安定同位体比は、変温動物であれば生息環境の温度や環境水を、恒温動物であれば体温や環境水を記録するので、その積極的な活用が可能になれば新たな生態情報の抽出が実現できる。しかしながら、魚類硬組織の多くは分析可能重量を満たせないために、これまでは同位体温度計の検証の術がなく、安定同位体比を活用したアプローチが実現できていなかった。本研究では、魚類の骨の構造炭酸塩の同位体比分析のための前処理法・分析法を検討し、炭素・酸素同位体比情報の環境・生態指標としての有効性を明らかにした。
脊椎動物の骨や歯の硬組織はリン酸塩を主成分とし、数%の炭酸基を含んでいる。これを構造炭酸塩と呼び、構造炭酸塩の酸素安定同位体比は生息環境の温度や環境水を記録するので、その積極的な活用が可能になれば新たな生態情報の抽出が実現できる。本研究は、魚類における骨の構造炭酸塩の安定同位体比分析法を検証し、環境・生態履歴を復元する手法を新たに提案した。骨の構造炭酸塩の酸素同位体比は、温度とよい相関を示し、温度指標として骨の構造炭酸塩を活用できることを提示できた。本研究は魚類の構造炭酸塩の同位体比から環境履歴の情報を取得する手法を提案し、回遊経路推定など水産資源管理への貢献が期待される。
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