研究課題/領域番号 |
20K21347
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
酒井 憲司 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 特任教授 (40192083)
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研究分担者 |
藤木 大介 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (30435896)
伴 琢也 東京農工大学, 農学部, 准教授 (20325046)
森山 裕充 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20392673)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | ウンシュウミカン / 隔年結果 / 接ぎ木 / コナラ / ブナ / 豊凶指数 / カオス振動子 / 集団力学 / 非線形動力学 / 共通ノイズ同期 / マスティング / 豊凶 / 位相同期 / カオス / 菌根ネットワーク / 結合写像格子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においては,多年生樹種に統一的に適用可能な豊凶同期理論と解析手法を確立する.カオス同期理論・位相解析法に基づき,豊凶現象解明における振幅同期から位相同期への方法論的パラダイム転換を行い,果樹栽培や森林管理に必要な“樹木個体群の豊凶同期”をより詳細に解析可能とする.また,生理結合によって構成される融合体の数理モデルは,豊凶現象で実際に観測される強い距離相関を再現可能とする.接木の方法,部位によって交換される物質が異なることによって個体間で同相同期と逆相同期の双方が可能な定式化を行う.
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研究実績の概要 |
ウンシュウミカン宮川早生30個を用いて、シュート接ぎ木による位相同期に関する栽培実験をおこなった。栽培試験は30個体のウンシュウミカンによって対象区と接ぎ木区を設定して行った.2022年の接ぎ木当年と翌年2023年の推移は,Prasadモデルの予想とは逆に,2022年には接ぎ木区において15/16が欠果となった.対象区においては14個体中11個体に結実が見られ,その内6個体はON(成年)と判定した.接ぎ木区においては,16個体中6個体に結実し10個体では結実が無かった.ON判定は1個体のみでありのころに15個体はOFF判定であった.すべての接ぎ木融合体における欠果は、Prasad逆相モデルとSakai同相モデルのどちらの拡散結合型RBMも予測に反するものであり、現象解析のために新たな作業仮説の設定が必要となった。そのため、花成誘起阻害RBMについて定式化を行った。このモデルの検証は、2022年度秋の栽培試験結果によって検証する必要がある為、2023年度も引き続き栽培試験を行うこととした。ウンシュウミカンの葉よりtotalRNAを抽出しFT遺伝子発現解析を行った。 兵庫県におけるコナラ、ブナ、ミズナラの17年間の豊凶指数データの解析を行った。その結果、距離相関の存在が明瞭に見られた。位相同期強度の空間分布を可視化した。また、9562個体のピスタチオ収穫量の7年間の計測データにおいても冪法則を有する長距離相関が観測され、根系ネットワークによる拡散結合からなる結合写像格子の共通ノイズ同期としてモデル化し、実データによるパラメータ同定を行った。これによって、拡散結合に存在が強く示唆された。また、国際誌に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ウンシュウミカンに関しては、初年度の栽培試験において冬期間に露地栽培を行ったが、低温障害のために栽培試験を中止せざるを得なかった。そのため、本年度は冬期間はガラス室に供試ポットを移設することで低温障害を回避し、結実データを取得できたが、当初計画では、翌年の開花と結実の観測が必要であったため、1年繰り越しした。さらに、当初の作業仮説であった拡散結合型RBMの逆相同期タイプも同相同期タイプのモデルかららも説明できない栽培試験結果が明瞭に示されたため、あらたなモデルを構築せざるをえなかった。そのため、やや遅れた進捗状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
ウンシュウミカンの栽培試験を継続し、新たな作業仮説を検証する。兵庫県全域におけるコナラの豊凶分布、および北西部のブナ、ミズナラの豊凶分布の解析を進め、個体間距離・標高および計測期間によって位相同期強度がそのように推移するかを定量的に明らかにする。同時に、クマ出現頻度とこれら餌樹種豊凶の相関関係を位相同期解析によって明らかにし、クマ出現予測に資する知見を得る。 ウンシュウミカンおよび兵庫県3樹種堅果データに関しては、それぞれ国際誌に投稿し公表する。
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