研究課題/領域番号 |
20K21350
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分41:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
高山 弘太郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40380266)
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研究分担者 |
八丈野 孝 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (10404063)
藤内 直道 愛媛大学, 農学研究科, 助教 (90791210)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 画像計測 / 画像解析 / ディープラーニング / 環境工学 / 施設園芸 / 病害リスク検知 / 植物診断 / うどんこ病 / AI |
研究開始時の研究の概要 |
キュウリうどんこ病菌は,植物体表面に胞子が着床して菌糸を延ばして展開し,新たに形成された胞子が飛散して周囲にまん延する。このサイ クルは1週間程度であると考えられるため,遅くともこの間に「発生の予兆」を正確に捉えて重点的な防除を行う必要がある。本研究では,気流にのって温室内を浮遊する胞子を空気清浄器の様な装置で捕集し,その顕微画像をデジタルマイクロスコープで取得し,先端的ディープラーニング(AI)技術を適用してうどんこ病菌か否かの判別を行い,On siteかつReal timeのカビリスク把握を可能とする。
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研究実績の概要 |
植物工場やビニルハウス等の施設生産おける作物周年栽培では,湿度管理と連動して生じるカビ(うどんこ病菌等)への対応が喫緊の課題となっている。本研究では,浮遊胞子トラップツールで捕集したカビ胞子の顕微画像をオンサイトかつリアルタイムにAI技術(ディープラーニング)を用いて解析し,カビ被害が拡大 する前の超初期段階でカビ発生アラームを鳴らすカビリスク診断システムを開発することを目的としている。 本年度は,浮遊胞子トラップツールの開発,カビ 胞子顕微画像を対象としたディープラーニングによる胞子の物体検知・カウント技術の開発に向け,(1)高糖度トマト生産現場・養液栽培イチゴ生産現場における生育状況調査,(2)生育状態のディープラーニング技術を活用した数値評価に関する技術開発を継続的に実施した。具体的には,水ストレスを与えながら糖度を高める処理を施すために植物体が弱体化して病害発生が頻発する危険性がたかい高糖度トマト生産現場(愛媛県西予市野村町)に,つり下げ型植物生態画像情報計測ロボットを導入し,日々の生育状態の高精度把握を行った。また,生育が不安定化しやすい養液栽培イチゴを対象とした長期間にわたる生育状態の数値把握に成功した。他方,新型コロナウイルス感染症対策として生産現場への立ち入りが制限されている条件下において,浮遊菌の効率的捕集のために,環境モニタリングで一般的に用いられているサンプラーを用いた捕集方法の動作確認を研究室内において行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
具体的な研究開発内容は,(1)つり下げ型植物生体画像情報計測ロボットおよびスマートフォンで取得したカラー画像を活用した日次の生育状態の数値把握,(2)イチゴを対象としてディープラーニングにより生育バランスの長期間にわたる変化を評価するシステムを開発した。ただし,コロナ禍の影響を受けて生産現場への出入りが制限されていたため,生産現場におけるカビ等の収集作業が滞っており,有意性を示す十分なデータを得るに至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症対策が緩和され,商業的施設生産現場への出張が可能となったため,生産現場における実証試験を実施することで,本技術の有意性を示す十分なデータ取得が可能になると考えている。
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