研究課題/領域番号 |
20K21358
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中尾 亮 北海道大学, 獣医学研究院, 准教授 (50633955)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 選択的ゲノム増幅法 / 節足動物 / マダニ / ミトゲノム / SWGA |
研究開始時の研究の概要 |
マダニや蚊などの節足動物は様々な病原体を保有し人や動物に伝播する。節足動物によって媒介される感染症を制御するためには、節足動物を遺伝的に同定でき、さらにその集団遺伝構造を解析する手法が有用である。本研究では節足動物のミトコンドリアゲノム(ミトゲノム)配列を簡便かつ安価に解読できる手法の開発に挑戦する。ミトゲノム配列情報を活用することにより、病原体の保有・伝播に関わる節足動物側素因の解析や病原体を保有する節足動物集団の分布解析が可能となる。
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研究成果の概要 |
マダニなどの節足動物の遺伝子情報を体系的に整備するため、ミトコンドリアゲノム(ミトゲノム)配列の効率的な解読法を開発した。異なるマダニ種間で共通に見られるミトゲノム配列に対して特異的プライマーを設計し、鎖置換型DNA合成酵素(phi29)を用いたゲノム増幅反応に添加することで、選択的ミトゲノム増幅系を構築した。本技術により、ミトゲノム由来の配列を千倍以上に濃縮することが可能となり、ミトゲノム解読が簡便かつ安価に実施できることとなった。さらに、確立された技術を多数のマダニ種のミトゲノム解析に応用し、得られたミトゲノム配列をデータベース上に公開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
開発した選択的ミトゲノム増幅技術により、簡便かつ安価にマダニのミトゲノム情報を取得することができることとなった。このことにより、世界中でマダニのミトゲノムの解読が進み、マダニの系統進化、集団遺伝構造を理解するための遺伝子情報の集積が期待できる。また、得られたゲノム情報を活用することで、精度の高いマダニの遺伝子同定技術の開発が可能となり、マダニが媒介する感染症の対策に貢献できる。また、本研究で確立した手法は、他の生物群にも応用可能であり、生物を対象とした広い研究分野への波及効果が期待できる。
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