研究課題/領域番号 |
20K21368
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
笹浪 知宏 静岡大学, 農学部, 教授 (80322139)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | ウズラ / 精子 / 受精 / 精子鞭毛長 / 配偶者選択 / 受精能力 / 鞭毛 / 性選択 / 精子競争 / 精子選択 / 貯精 |
研究開始時の研究の概要 |
生殖活動は次世代に自身の子孫を残す為に必須であり、生物にとっての最重要課題である。加えて、優秀な形質を有した子孫を残す為には、優秀なパートナーを選ぶことが重要である。雄の個体の男性ホルモン濃度は、その雄個体の質を反映するという仮説が種々の動物で提唱されている。しかし、雌に好まれる雄の実際の受精能力や、その子孫の形質の調査はほとんど行われていない。本研究では、雌に好まれる雄と好まれない雄の受精能力およびその子孫の形質を調べ、生物の進化と生殖システムとの関連を明らかにするとともに、得られた知見を優秀な家禽・家畜の生産へとフィードバックが可能な、きわめて挑戦的で萌芽性の高い研究を遂行する。
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研究成果の概要 |
生殖活動は次世代に自身の子孫を残す為に必須である。本研究では、雌に好まれる雄の実際の受精能力や、その子孫の形質の調査を行なった。雌に好まれる雄と好まれない雄の受精能力を比較したところ、血中テストステロン濃度の高低に関わらず、精子鞭毛長の長い雄の精子が受精に有利であることが判明した。加えて、鞭毛長の長い精子を作る系統と、短い精子を作る系統からF2世代を作出し、両者の鞭毛長の調査およびゲノムDNAのQTLseq解析を行なった。その結果、精子の鞭毛長は次世代に遺伝し、環境要因の影響は受けないことが判明した。つまり、雌に好まれる雄の受精能力は必ずしも高くないことがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
雄の個体の血中男性ホルモン濃度は、その雄個体の質を反映するという仮説が種々の動物で提唱されてきた。しかし、雌に好まれる雄の実際の受精能力や、その子孫の形質の調査はほとんど行われてこなかった。本研究結果は、この仮説は個体の繁殖能力に対しては正しいと言えるが、次世代の形質に関しては必ずしも正しくないことを示唆するものである。このことは、優秀な家畜・家禽を作出するために重要な雄の形質を調べる上で、精子の運動性や受精能力以外にも注目しなければならないことを意味する。
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