研究課題/領域番号 |
20K21372
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
木村 康二 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (50355070)
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研究分担者 |
松山 秀一 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (50455317)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | オゾン / 分娩間隔 / 子宮回復 / オゾンゲル / 子宮内膜 / 子宮修復 / 空胎期間短縮 / ウシ / 空胎期間 / 子宮 / 修復 |
研究開始時の研究の概要 |
分娩によって子宮は大きな物理的損傷を受けるとともに感染・炎症を生じる。空胎日数は子宮内膜の修復と感染治癒に要する時間であり、この延長はウシ生産性低下の一因である。オゾンは強い酸化力と殺菌性を有し薬剤耐性菌の出現もなく、残留性はないが、持続力がなく使用に限界がある。このオゾンをオイルやグリセリン等に溶存させることによって分解を抑制・徐放させる製剤が開発されており(オゾンゲル)、この使用により患部の殺菌だけでなく、創傷早期治癒効果が認められてる。本研究ではこれを用いて、分娩後の子宮内膜感染防止と物理的損傷からの回復を達成することにより、空胎日数短縮を図りウシの妊孕性を向上させる。
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研究成果の概要 |
近年、ウシの妊空胎日数(分娩してから妊娠するまでの日数)は約1か月も増加しており、これを改善することが出来れば生産性向上に大きく貢献できるが具体的な対策は施されていない。分娩によって子宮は胎盤や胎膜の剥離により大きな物理的損傷と最近感染・炎症を生じる。これらからの早期回復を目的に本研究ではオゾンの分解を抑制したオゾンゲルのin vitroならびにin vivoの炎症抑制効果について検討した。子宮内膜間質細胞を用いた実験ではオゾンゲルの細胞培養液への添加はIL6遺伝子発現に影響をおよぼさなかった。さらにゲルの分娩後ウシ子宮内投与においてもその感染レベルに影響を与えなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
牛の妊孕性の低下は畜産農家の経営に打撃を与える喫緊に解決すべき問題である。妊孕性低下の一因として空胎期間の増加がある。分娩後ウシの子宮は物理的損傷および感染による炎症にさらされる。これらを防止し速やかな子宮回復が早期の妊孕性回復につながる。本研究では殺菌作用を有するオゾンゲルの子宮早期回復に対する効果を検討した。ウシ子宮内膜細胞を用いたin vitroの実験において炎症性サイトカインIL6の遺伝子発現にオゾンゲルは影響を与えず、ウシ子宮内投与実験においても炎症指標の改善が見られなかった。しかし、他の動物種の細胞において効果が認められていることから、濃度や投与法を見直し再検討する必要がある。
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