研究課題/領域番号 |
20K21376
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
宮本 圭 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (40740684)
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研究分担者 |
山之内 忠幸 独立行政法人家畜改良センター, 牧場・支場, 調査役・係長 (30713581)
松田 秀雄 独立行政法人家畜改良センター, 本所(企画調整部 技術グループ), 調査役・係長 (30442685)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ウシ / トランスクリプトーム / RNA-seq / 卵成熟 / 極体 / 高発生能 / 卵子 / Single cell RNA-seq / 母性転写産物 |
研究開始時の研究の概要 |
家畜繁殖の分野において、体外で作出したウシ胚の受胎率向上が喫緊の課題である。低受胎率の原因の一つとして、胚の質の低下が想定されているが、胚の質を規定する遺伝子や特定の分子の同定に関して未だ研究が進んでおらず、その実体は掴めていない。本研究では、卵子中に蓄えられた母性転写産物に着目し、受精卵の発生能を損なうことなく、母性転写産物量を指標に胚の質を評価する新手法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
家畜繁殖の分野において、体外で作出したウシ胚の受胎率向上が喫緊の課題である。低受胎率の原因の一つとして、胚の質の低下が想定されいる。そこで本研究では、卵子中に蓄えられた母性転写産物に着目し、胚の質にかかわりのある転写物の同定を試み、ウシ受精卵の発生を転写物の発現により予測する実験系の構築を目指した。卵子および極体内の全母性転写産物を、高発生能卵と低発生能卵で比較解析し、高発生能卵において特異的に発現変動する転写物の同定に至った。また、当該転写物の発現や塩基情報を指標に、高発生能を有する優良牛の受精卵を予測するシステムを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、高い発生能力を有すると予測されるウシ卵を、受精後間もない段階で選別することが原理的に可能であることがわかった。受精後すぐに卵を選別することにより、母体への移植前に受精卵の発生能を予測し、胚の受胎率向上に寄与する。さらに、受精卵に付随する極体から全転写物情報を得ることにより、ウシの肉質にかかわる遺伝子情報も取得できる。これは、受精卵の段階で将来高い付加価値を有するウシを産み分けるシステムへとつながる。このように、畜産業において中心的な課題であるウシ胚の低受胎率改善と、高付加価値のウシを効率よく繁殖するために貢献する研究成果を得た。
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