研究課題/領域番号 |
20K21380
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
松永 康佑 埼玉大学, 情報メディア基盤センター, 准教授 (60464525)
|
研究分担者 |
舘 知宏 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50586740)
堀山 貴史 北海道大学, 情報科学研究院, 教授 (60314530)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 準等価理論 / タイリング / ドッキングシミュレーション / カプシド / 外殻 / ドッキング計算 / 核形成 / ウイルス外殻 / ドッキング / 分子シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、部品として同じようなタンパク質が使われているにも関わらず、なぜ多様なサイズの正二十面体であるウイルス外殻が存在するのか?その原理を調べる。これまでの正二十面体の展開図を下にしたトップダウン型アプローチとは逆に、部品を敷き詰める「タイリング」の観点からその原理をボトムアップ的に検証し、限られた種類の部品から任意のサイズを持つ殻を合理的に設計できる理論と計算プロトコルまたはソフトウェアを開発することを目的とする。
|
研究成果の概要 |
本研究はウイルス外殻構造を形作る相互作用パターンを特徴付ける目的とする。そのために、二十面体の球面タイリングの理論に基づく方法を適用した。具体的には、対称性の交点に位置する二面体を切り開くことで外殻の部品(サブユニット)の形を特徴付けることを提案した。実際の外殻構造を分類したところ同じT=1グループであっても、5回と3回対称軸を中心としたインタフェースの面積が異なるものがあると判明した。さらに分子ドッキングシミュレーションを行いそれを検証し、初期の自己集合過程の核形成において異なるルートが存在することが示唆された。この手法一般的であり、将来的にT=1を超える広い範囲へ適用可能である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウイルス外殻構造はこれまでCaspar-Klugらによる準等価理論による特徴付けがなされてきた。これは、正二十面体の外殻構造における6回対称軸のインタフェースをできる限り歪ませずに5回対称軸に置き換える分類を与える理論である。この理論により様々なサイズの外殻構造を分類できているが、インタフェースそのものの形にどのようなバリエーションがあるのかを与える理論は存在しなかった。本研究で開発した2面体の切り開き手法は、あり得るインタフェースの形を与えることができる。これを拡張することで、外殻を構成しうるサブユニットの形を網羅でき、ドラッグデリバリーのためのナノカプセルの設計研究への展開を期待できる。
|