研究課題/領域番号 |
20K21385
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 (2021-2022) 東京医科歯科大学 (2020) |
研究代表者 |
黒柳 秀人 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30323702)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 拡張型心筋症 / mRNA前駆体 / 選択的スプライシング / ノックインマウス / 長リード次世代シーケンサー / RNA結合タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
拡張型心筋症は心筋収縮不全と心室内腔の拡張を特徴とする難病である。本研究では、家族性拡張型心筋症患者で変異が報告されている2つの遺伝子TTNとRBM20について、スプライシング制御因子RBM20がサルコメアの分子バネタンパク質タイチンをコードするTTN遺伝子の心筋特異的選択的スプライシングを制御する分子機構と、RBM20の患者型アミノ酸置換変異の導入によりマウスに心筋症様の病態が発現する分子機構の解明を目的とする。液-液相分離が関与すると想定されるこの特殊なスプライシング制御の分子機構の解明に挑むことで、液-液相分離によるRNA制御の生理的・病理的重要性を生体レベルで実証する意義が期待される。
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研究成果の概要 |
拡張型心筋症は、心筋収縮不全と心室内腔の拡張を特徴とする難病である。本研究では、DCM患者の約2%で見つかるRBM20遺伝子の変異が特定のアミノ酸に集中していることに着目し、これらの変異は単なる機能喪失型ではなく機能獲得変異であることをRbm20ノックアウトマウスと患者型変異を模したノックインマウスの作製により明らかにし、このノックインマウスが拡張型心筋症の有用な疾患モデル動物であることを論文として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DCMは、多くの原因遺伝子が報告されているものの、現時点では心移植以外の有効な治療法がない難病である。RBM20遺伝子が原因のDCMは若年期から発症して特に重症であることが知られている。しかし、Rbm20の機能喪失変異マウスでは病態が再現しないことから、病態発現機構は不明であった。本研究では、患者に見られる一アミノ酸置換変異を導入したことで病態を再現できることを明らかにし、このDCMモデル動物は、今後のDCMの病態発現機構の解明や治療法の開発などに幅広く利用できると期待される。
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