研究課題/領域番号 |
20K21389
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
粂田 昌宏 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (00582181)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 細胞工学 / 細胞分化 / 音波 / 音響 / 遺伝子工学 / 音響細胞生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子操作技術は生命科学を支える基盤技術の一つである。その重要性や多様な用途とはうらはらに、細胞内での遺伝子を実際に操作する技術的選択肢は多くない。本研究では、これまで独自に見出してきた音波刺激に応答する遺伝子群の解析に基づき、音波で遺伝子をコントロールする技術の開発に取り組む。これにより、簡便性/安全性/即時性/既存技術との連携性、の全てに優れた革新的な遺伝子操作技術を創出し、将来の生命科学の可能性を大きく広げることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、音波刺激に対する細胞応答を探究すべく、様々な取り組みを行った。まず、次世代シークエンサーを用いて音波刺激に対する遺伝子応答を網羅的に解析し、約200の音波応答遺伝子を得た。また、様々な細胞状態および音波条件により異なる応答が起きることも明らかにした。次に、より高次の細胞応答に着目し、音波に応じた生理活性脂質の合成活性化や、細胞接着を起点としたシグナル伝達の活性化を、その分子メカニズムとともに明らかにした。更に、音波刺激により骨細胞や脂質細胞の分化が制御されることを見出した。これにより、音波に対する細胞応答を多角的に明らかにする画期的な成果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、生命は単一細胞レベルで音波を認識し応答することが明らかとなり、生命と音の根源的関係を解き明かす成果が得られた。また、遺伝子応答に至る細胞内シグナル伝達経路や、細胞分化に与える影響なども併せて明らかになったことで、「音」を細胞レベルで作用する因子として捉える新たな生命科学分野の開拓へとつながる、高い学術的意義をもつ成果が得られたとい考えている。今後、音波を用いて細胞のはたらきをコントロールする技術の開発などへとつなげることで、新たなバイオテクノロジーの創出など社会的意義の高い研究へと発展していくことが期待される。
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