研究課題/領域番号 |
20K21403
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
石水 毅 立命館大学, 生命科学部, 教授 (30314355)
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研究分担者 |
大橋 貴生 摂南大学, 理工学部, 准教授 (10597876)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 糖転移酵素 / 植物細胞壁 / 多糖 / タンパク質複合体 / ペクチン / 酵素複合体 / 細胞壁 / メタボロン |
研究開始時の研究の概要 |
植物細胞壁ペクチン成分のラムノガラクツロナンI (RG-I)の生合成について、複数の糖転移酵素がどのように連携して複雑な構造の多糖を合成しているか、理解が進んでいない。RG-I生合成酵素の一つ、RG-Iガラクトース転移酵素が天然変性領域を介して、複数の糖転移酵素が相分離してメタボロンを形成し、RG-Iを効率的に生合成しているのではないか、という仮説を検証する。RG-Iガラクトース転移酵素の遺伝子を同定し、複数のRG-I生合成糖転移酵素が存在するときの酵素の集合状態・酵素の活性化を解析する。本研究は複雑な生体分子の生合成機構のモデルとなる。
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研究成果の概要 |
植物の糖質化合物は糖転移酵素が形成する複合体によって効率的に生合成されると考えられている。本研究では、この酵素複合体を検出することを目的とした。 ペクチンラムノガラクツロナンI生合成ガラクトース転移酵素が高分子電解質により超活性化することを見出した。本酵素を核にタンパク質集合体を形成していることが示唆された。また、キシラン生合成糖転移酵素IRX9, IRX10, IRX14-Lが含まれる分子量61万のタンパク質複合体を見出した。さらに、フラボノイド配糖体アピイン生合成酵素を含む分子量45万の複合体を見出した。いずれの複合体も検出量が非常に少なく、一時的に形成されていることも考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生命科学における主流研究技術(次世代シーケンサーを用いた遺伝子発現解析や各種オミクス解析、変異体の解析など)では、酵素複合体は解析できない。このような技術的な理由から、本研究が目指す糖転移酵素を含む複合体の検出・解析は遅れている。本研究では、植物糖質化合物の生合成に関する酵素複合体を複数見出した。いずれも量が少ないことも見出しており、一過的に形成されることが多い相分離集合体である可能性もある。このように本研究成果は、未解明なことが多い細胞内でのタンパク質集合体の形成と機能について、一定の回答を示すものであり、学術的意義が大きい。
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