研究課題/領域番号 |
20K21404
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
島本 勇太 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 准教授 (80409656)
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研究分担者 |
岩城 光宏 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 客員研究員 (30432503)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 紡錘体 / 微小管 / DNAオリガミ / 卵母細胞 / 力学計測 / 減数分裂 / 染色体分配エラー / ナノメカニクス / 染色体分配 / フォースセンサー |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の卵母細胞は染色体の分配エラーに対して脆弱であり、ヒトでは不妊症やダウン症の原因となる。本研究は、分配エラーの主経路と考えられている、1)紡錘体の形成異常、2)姉妹染色分体間の接着異常、の2つのうち、特に解析が遅れている紡錘体形成異常に着目し、DNAオリガミを利用した分子サイズの力センサーを使って既存の方法では検出できない紡錘体の構造欠陥や力の不均衡を高精度で検出する。直接的な“力”の情報抽出によって紡錘体の力学的安定性とその破綻のしくみを解き明かす独自の顕微計測技術を開発し、これまでの “形”を指標とした解析のみでは成し得ない新たな治療戦略の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、哺乳類の卵母細胞で起こる染色体分配エラーの原因を解明するため、染色体分配装置である紡錘体の構造欠陥や力学的不均衡を可視化解析できるナノサイズの人工素子を開発することを目的として行なった。DNAオリガミ技術を使ってDNAをコイル状に成形した微小機械バネを作成し、その両端に細胞分裂期で機能しない微小管結合タンパク質を共有結合することで紡錘体へのターゲッティングを実現した。さらにこの人工素子の表面を蛍光色素とポリマーで二重被覆し、細胞質環境における局在と運動の安定な可視化解析を実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、未受精卵の内部に形成される染色体分配装置の構造欠陥を可視化することのできるナノサイズの人工素子の開発を行なった。染色体分配装置の形成異常は親細胞から娘細胞への不正確な遺伝情報の継承を招き、胚発生の異常や不妊の主要な原因と考えられている。本開発技術のさらなる精錬により分配装置の形成異常が起こる生物物理学的メカニズムの解明が可能となり、また紡錘体形成異常の早期発見等による新たな治療戦略の創出が期待される。
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