研究課題/領域番号 |
20K21405
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
井ノ上 逸朗 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 特任教授 (00192500)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 新規ウイルス / CRISPR-Cas / ファージ / 縄文人 / バイローム / CRISPR免疫記憶 / ヒトメタゲノム / ファージゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
ウィルスは地球上でもっとも個体数の多い、遺伝物質を有する有機体集団である。全てのウィルスは特定の細胞に感染し増殖する。ウィルスと細胞の間では遺伝子の水平伝播と軍拡的進化競争が起こり、これらは進化の原動力となった。多くのウィルスのゲノムを解析すれば、ウィルスのみならず、細胞性生命の進化と起源についての理解も得られるだろう。我々はCRISPR免疫記憶を利用して、メタゲノムからタンパク相同性を用いずに新規ファージゲノム同定を行っている。同時に新規遺伝子も同定し、ウィルス進化のみならず生命起源や生命進化を理解する生物学的基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
ウイルスは地球上でもっとも多くの遺伝物質を有する有機体である。全てのウイルスは特定の細胞に感染し増殖する。多くのウイルスのゲノムを解析することで、ウイルスのみならず細胞性生命の進化と起源についての新たな理解も得られる。これまでのウイルスゲノムを探索する研究は、相同性検索によって検出される、既知のウイルスに近縁な種に限られていた。本研究の目的は、1)CRISPR免疫記憶を利用して相同性検索に依存しない方法でファージゲノムを探索し、さらに得られたゲノム配列を用いてウイルス全体の進化と起源を明らかにすること、2) 古代ウイルス配列決定をおこない、ウイルス進化を年代確立した上で検討すること、である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では得られるメタゲノムデータからCRISPR-Casシステムを用いホモロジーに頼らないウイルス同定を確立できた。縄文人をはじめ多数の年代の日本列島人の歯髄と歯石から得られた76の全ゲノムデータと縄文人糞石由来DNA4検体の提供を受け、全ゲノムデータを取得した。縄文人から得られた歯髄および糞石由来の全ゲノムデータを用い、ウイルスの網羅的探索を行った。ウイルス同定のために、データベース上に登録のある既知のウイルスを参照配列として相同性検索を行い、11種類の現代のウイルスと類似のゲノムを持つ縄文ウイルスを同定した。
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