研究課題
挑戦的研究(萌芽)
多細胞生物の発生や環境応答などに関わる内在性の新シグナル分子が1つ発見され、その機能に迫る最初のきっかけさえ報告されると、それを皮切りにその関連事象の解明が世界中で始まる。新重要シグナルの発見は、往々にしてそれ以前までの制御モデルの改訂や大きな見直しにつながることから、その分野の発展の大きな節目となるなど、新シグナル分子の機能の発見1つ1つが新しい研究展開・研究転換の萌芽的起点となる。しかし、その最初のきっかけの発見が最も難しい壁である。そこで本研究では、独自に整備する変異体ライブラリーを活用することで、機能未知の植物のペプチド性の分泌シグナル群の機能解明を行う。
本研究では、植物の機能未知分泌ペプチドの中から新機能を持つ因子を同定し、その機能や発現部位とそれらの環境依存性を特定することを目指した。各種のデータベースから細胞種特異的な発現パターンを示すと推定された分泌ペプチドを約80個選び、変異体コレクションを整備した。類似遺伝子が存在する場合には多重変異体も作成した。これら変異体群をいくつかの培養条件で栽培し、表現型を示すものを選抜した。興味深い表現型を示した因子の発現パターンの解析も行なった。その結果、通常は目立った表現型を示さないものの、自身の発現に関わるストレスに晒された時のみ変異体に表現型があらわれるような因子を複数同定することができた。
多細胞生物の発生や環境応答などに関わる内在性の新重要シグナルの発見は、それ以前までの制御モデルの改訂や大きな見直しにつながることから、その分野の発展の大きな節目となることが多く、新シグナル分子の機能の発見1つ1つが新しい研究展開・研究転換の萌芽的起点となる。とりわけ、環境応答に関わるシグナル経路は、気候変動などにより変動する環境下でも生存できる植物種や農作品種の創出にも貢献できる可能性もあり、今後の活用が期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)
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