研究課題/領域番号 |
20K21423
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
嘉村 巧 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40333455)
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研究分担者 |
西村 浩平 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (80582709)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | オーキシン / AID法 / 細胞周期制御 / 培養細胞 / CDK / タンパク質分解 / 動物培養細胞 / ユビキチンプロテアソーム / Auxin Inducible Degron 法 / 細胞周期 / 人為的制御 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、速やかな人工的タンパク質分解法であるAuxin Inducible Degron(AID)法を単なる標的因子の機能解明の手段としてではなく、生命現象を人為的に操るツールとして確立することを目指している。その手始めとして本研究では哺乳類培養細胞の細胞周期をAID法により人為的にコントロールできる系の確立を目的とする。具体的にはCyclin Dependent Kinase(CDK)などの細胞周期制御因子の活性をAID法で速やかにコントロールすることにより、細胞周期を自在に制御できる系の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
低毒性かつ速やかなタンパク質分解系であるAID法を用いて、培養細胞で人為的な細胞周期コントロールを行うことを目的に研究を進めた。細胞周期進行は、CDK複合体によって正の制御を、一方CKIによって負の制御を受けているので、これら因子の発現をAID法により制御し、細胞周期に及ぼす影響を調べた。その結果Cdk1のAID細胞株ではCdk1の分解により、細胞周期がG2期で停止することを明らかにした。ニワトリのDT40細胞株だけではなく、マウスのES細胞においても同様の結果が得られたことから、様々な細胞において、Cdk1を制御することにより、人為的な細胞周期制御が可能となると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、速やかなタンパク質分解法であるAID法を標的因子の機能解明という目線に加えて、生命現象を操るツールの一つとして確立することができた。これにより、(1)基礎的な哺乳類培養細胞実験における細胞同調システムの確立に有用であり、様々な細胞周期における哺乳類細胞実験を可能とした。(2)多くの生物学的な技術を因子の機能解析とは別の視点で見ることから、このAIDの技術の利用もしくは発展性について違った視点から捉えることが可能となった。(3)細胞周期制御を行うCDKやCKIのペプチドに更に改良を加えることにより、細胞周期を停止させる抗がん剤としての活用法も視野に入ってきた。
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