研究課題/領域番号 |
20K21427
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹中 瑞樹 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10796163)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | PPRタンパク質 / 転写開始点制御 / オルガネラ / RNA結合タンパク質 / 植物オルガネラ / 転写後調節 / 転写開始点選択 |
研究開始時の研究の概要 |
PPRタンパク質は35アミノ酸からなるRNA結合モジュールを繰り返し持つ。このタンパク質のほとんどはミトコンドリアや葉緑体で多様な転写後調節に関わっている。そのため、これまでPPRタンパク質はオルガネラに特化したRNA結合タンパク質だと考えられてきた。しかし、最近赤色光シグナルによる転写開始点変化によってN末端側のシグナル配列を失い、細胞質に局在する短鎖PPRタンパク質が多数存在する可能性が示唆された。これらの短鎖PPRタンパク質はその構造上、細胞質でもRNA結合能を保持している可能性が高い。本研究ではこれまで見過ごされてきたPPRタンパク質の細胞質における機能を探索する。
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研究実績の概要 |
PPRタンパク質は35アミノ酸からなるRNA結合モジュールを繰り返し持つ、塩基配列特異的なRNA結合タンパク質である。陸上植物ゲノムに数百個コードされているPPRタンパク質のほとんどはミトコンドリアや葉緑体などのオルガネラでRNAの転写、修飾、安定化、編集、翻訳など様々な転写後調節に関わっている。そのため、これまでPPRタンパク質はオルガネラに特化したRNA結合タンパク質だと考えられてきた。最近の研究により、赤色光シグナルによる転写開始点変化によってN末端側のシグナル配列を失い、細胞質に局在する短鎖PPRタンパク質が多数存在する可能性が示唆された。これらの短鎖PPRタンパク質はその構造上、細胞質でもRNA結合能を保持している可能性が高い。以下に当該年度に得られた成果を記す。 1)さらに5種類のPPRタンパク質について、オルガネラに存在する長鎖バージョン、主に細胞質に局在する短鎖バージョンのPPRタンパク質をそれぞれクローニングし、これらを植物内で発現させた。そのうち2種類についてはシグナルペプチドを失った短鎖タンパク質が細胞質に存在することをGFP融合タンパク質による細胞内局在観察により明らかにした。 2)上記のPPRタンパク質のT-DNA挿入株の解析を行った。3種類のPPRタンパク質についてはホモ株を得ることができなかったため、致死である可能性が高い。これらの株についてはABI3プロモーターを用いて該当PPRタンパク質を胚特異的に発現させた株を作成している。2種類の株については現在表現型の解析を行っている。 3)PPRタンパク質の細胞質内での標的を解析するためにGFP融合タンパク質を発現させた形質転換体を用いて、ChiP-Seqを試みた。細胞質内で結合していると思われる標的RNAを複数同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 1)それぞれの転写開始点から転写されたmRNAより合成される長短のタンパク質をそれぞれのGFP融合タンパク質を過剰発現させ、細胞内局在の解析を行った。2つのPPRタンパク質については細胞質への局在が確認された。 2)各PPRタンパク質遺伝子のシロイヌナズナノックアウト株に、長鎖または短鎖PPRのGFP融合タンパク質を過剰発現させた株の作成を行った。 3)致死遺伝子についてはABI3プロモーターにより胚特異的に発現させることにより条件付き相補株の単離を試みている。
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今後の研究の推進方策 |
長鎖または短鎖PPRタンパク質を過剰発現させた形質転換体の表現型解析を行う。通常の生育条件では顕著な差が観察されていないが、光条件やさまざまなストレス条件下での表現型解析を行う。ノックアウト株が致死になるPPR遺伝子についてはABI3プロモーターにより胚特異的に発現させることにより条件付き相補株の単離を試みる。またPPRタンパク質の細胞質内での標的の同定のために、ChiP-seqの条件検討を行う。またPPRタンパク質とRNAの結合が不安定である可能性を考えて、UVクロスリンクの過程を含むCLIP法も試みる。
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