研究課題/領域番号 |
20K21430
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中村 輝 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (90323245)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | ショウジョウバエ / 生殖細胞 / 生殖顆粒 / 転写コアクチベータ- / 転写コアクチベーター |
研究開始時の研究の概要 |
生殖細胞は多細胞生物に必須の細胞系列であり、遺伝情報を次世代に伝える。動物の生殖細胞を特徴づけるオルガネラとして、生殖顆粒がある。生殖顆粒は、生殖細胞発生に関わるmRNAやタンパク質が集積して液-液相分離することで形成されるが、生殖顆粒の動態制御については不明な点が多い。本研究では、生殖顆粒の動態制御にミトコンドリアが関わっている可能性を検討し、新たなコンセプトを提示することを目指す。
|
研究成果の概要 |
生殖細胞は遺伝情報を次世代に伝搬する細胞種である。生殖細胞の形成・維持に必要な固有のオルガネラとして生殖顆粒が知られている。私たちはノックダウンに より生殖細胞形成に異常をきたす母性因子として、転写コアクチベーターSrlを同定した。Srlの生殖細胞形成における役割を明らかにするため、null突然変異体を作成し、表現型解析を行った。その結果、Srlは生殖顆粒の動態制御に関わる新規因子であることが分かった。一方、Srlの哺乳類ホモログPGC-1はミトコンドリアを制御する転写制御因子である。残念ながらsrl変異体におけるミトコンドリアへの影響については、助成期間中には結論を出すことができなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生殖細胞は、卵子や精子といった配偶子を産生する細胞種であり、有性生殖を通して遺伝情報を次世代に伝える役割を持つ。生殖細胞に生じた遺伝的変化のみが次世代に伝わることから、生殖細胞は生物種の連続性や進化に深く関わる重要な細胞種である。本研究では、ショウジョウバエをモデル動物として、生殖細胞形成に関わる新規因子の機能について解析を進めた。その結果、生殖細胞を特徴づけるオルガネラである生殖顆粒の動態を制御する転写制御因子Srlを同定することができた。Srlの哺乳類ホモログはミトコンドリアの機能を制御する遺伝子の発現に関わることから、生殖細胞形成とミトコンドリア動態とが関連している可能性が考えられる。
|