研究課題/領域番号 |
20K21431
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
佐田 亜衣子 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特任准教授 (80779059)
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研究分担者 |
舘野 浩章 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (30450670)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 糖鎖 / 表皮幹細胞 / 皮膚老化 / レクチン / シアル酸 / 老化 |
研究開始時の研究の概要 |
いつまでも若々しく、健やかに生きることは、人類の長年の願いである。近年、身体の加齢変化の一因として、分化細胞の供給源である幹細胞の機能破綻(=幹細胞の老化)が提唱されているが、その分子的実態は不明である。本研究では、研究代表者・佐田が専門とする幹細胞生物学と、分担者・舘野が独自に開発した糖鎖解析技術とを融合する多角的なアプローチにより、幹細胞老化の原因を究明し、老化診断・制御法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
我々はこれまでにシアル酸の付加に働く糖転移酵素(St3gal2、St6gal1)、およびマンノースの分解に働くMan1aが、表皮幹細胞の加齢に伴い有意に発現が上昇することを見出した。加齢に伴う糖鎖変化の生物学的意義を明らかにするため、ドキシサイクリン依存的に表皮幹細胞で糖鎖遺伝子を誘導するTet-ONマウスを作製した。St6gal1とMan1aにおいては、表皮幹細胞の増殖、分化異常等が認められ、早期に皮膚老化表現型を示す可能性が示唆された。さらに表皮幹細胞の初代培養において、レクチンプローブを用いた免疫沈降・質量分析を行い、コアタンパク質候補を複数同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、糖鎖構造を高感度かつ迅速に検出することが可能なレクチン技術を用い、皮膚幹細胞の糖鎖修飾パターンの加齢変化を捉え、その機能の一端を解明することに成功した。糖鎖は、DNA、タンパク質に次ぐ「第3の生命鎖」と呼ばれ、近年注目を集めているが、少量の生体サンプルを用いた解析が困難であり理解が遅れていた。本成果は、糖鎖解析の最先端技術の開発に取り組む研究グループと協働することで生み出された成果であり、幹細胞の糖鎖を標的とした新たな老化制御や老化状態を早い段階で予測するバイオマーカーの創出へとつながることが期待される。
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