研究課題/領域番号 |
20K21439
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岸田 治 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (00545626)
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研究分担者 |
森田 健太郎 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (30373468)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 回遊 / サケ科魚類 / 生活史 / 多型 / サイズ / 移動 / モニタリング / サケ科 / 適応 / イワナ / 行動 / 個体追跡 / ビッグデータ |
研究開始時の研究の概要 |
動物は自らの状況に応じて生息場所を変える. どんな状態の個体が,どのような場所にいるのか? どんな場所にいた個体の成長や繁殖が良いのか? 過去の行動や成長の履歴は,その後の行動や生活史にどう影響するのか? 本研究ではこれらの疑問に取り組み,生活史における種間・種内の変異を,個体の行動と関連付けて理解する. 河川にすむサケ科魚類を対象に,最新の個体追跡技術(PITタグシステム)で個体レベルの生活史と行動のデータを大量に得る.得られたデータをベイズ統計モデリングにより分析することで,個体の生息場所選択と生活史の相互関係を探索し,行動と生活史の統合的戦略の実態に迫る.
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研究成果の概要 |
動物個体の移動は,動物の生き様や生態を研究するうえで不可欠である. 本研究では,移動中の動物はいかなる死亡圧にさらされているのか,死亡圧を逃れるためにどのような行動や生活史の戦術があるのかについて, PITタグを用いたサクラマスの個体追跡研究により探索的に調べた. その結果,降海型サクラマスは降河中に下流で小さな個体ほど死にやすいサイズ依存の死亡圧にさらされることが明らかになるとともに,河川下流や海洋でのサイズ依存の死亡圧から逃れるための戦術として,降海型では小さな個体ほど冬季の成長が良く,降河が遅いことで,より大きなサイズになってから川を下ることが明らかとなった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
回遊する動物種では,回遊中の死亡から逃れるために回遊前に急成長することが知られていたが,個体が自身の状態に依存してどのような戦術をとるかまではわかっていなかった.本研究では,個体が自身のサイズに応じて,成長速度や回遊のタイミングを変えていることが明らかとなり,回遊する動物種の巧妙な行動と生活史戦術の実態が明らかとなった.
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