研究課題/領域番号 |
20K21446
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高山 浩司 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60647478)
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研究分担者 |
吉田 聡子 奈良先端科学技術大学院大学, 研究推進機構, 特任准教授 (20450421)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 寄生植物 / 水平伝播遺伝子 / 小笠原諸島 / 海洋島 / 宿主特異性 / 遺伝子水平伝播 / ゲノム / 宿主転換 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、寄生植物における宿主特異性の変遷過程を明らかにする。小笠原諸島の固有種で根寄生植物であるシマウツボのゲノム解析を行い、宿主植物からの水平伝播遺伝子の痕跡を探索することで、過去にどのような植物に寄生していたかを解明する。寄生植物内に残る水平伝播遺伝子をもとに宿主転換の歴史を解明する点が、本研究のオリジナリティである。
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研究成果の概要 |
海洋島では大陸における共存種が欠如しているため、新たに進出した生物同士の種間関係が結ばれることがある。この過程を紐解くことは、海洋島での生物多様性の創出機構を理解する上で重要である。本研究では、小笠原諸島に固有で絶対寄生植物であるシマウツボの宿主特異性、集団形成史、宿主種からの水平伝播遺伝子の有無を調べた。シマウツボは大陸の近縁種とは科レベルで異なる宿主種に寄生していた。さらに、父島と母島の個体は異なる宿主種に寄生しており、島間で宿主の選好性に違いが生じている可能性が示された。また、発現遺伝子の比較解析によって、シマウツボ内に過去の宿主種から水平伝播したと推測される遺伝子が複数個検出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
絶対寄生植物において、近縁な種間あるいは同一種内で宿主種が変化している例は少なく、異なる島の集団間で異なる科の植物に寄生しているシマウツボはその類まれな例であると言える。本研究によって、水平伝播に由来する可能性がある遺伝子が複数個見つかった。今後、水平伝播遺伝子の来歴に関する解析を深めることで、過去の宿主種を含めた宿主転換の過程を解明することができる。また、寄生植物の中には生態系への影響が大きいものや、農業被害をもたらすものもいる。シマウツボで見出された水平伝播遺伝子の機能解析を実施することで、遺伝子の水平伝播と新たな寄生能力の獲得との関連性への理解が進むと期待される。
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