研究課題/領域番号 |
20K21452
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 長浜バイオ大学 |
研究代表者 |
小倉 淳 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (60465929)
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研究分担者 |
保科 亮 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 助教 (40373089)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 巨大ウイルス / 藻類 / 遺伝子移行 / ゲノム / 遺伝子伝播 / 共生 / クロレラ / ゾウリムシ / 進化 |
研究開始時の研究の概要 |
自由生活をしていた共通祖先クロレラが、巨大ウイルス感染による死滅の危機に瀕し、自由生活から細胞内共生に向かった共生クロレラと、ウイルスゲノムの挿入を通してウイルス抵抗性を獲得し自由生活様式を維持した自由生活クロレラに、種分化したのではないかと考え、これを検証するため、巨大ウイルスゲノムの挿入時期・種分化時期および共生開始時期の推定を行い、同時期のイベントだったかどうかを検証する。また、因果関係の検証としては、挿入された巨大ウイルス遺伝子がウイルス抵抗性に関与しているかを解析することで、巨大ウイルスの全ゲノム挿入がクロレラの種分化や共生システム獲得に果たしてきた役割を示すことが可能になる。
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研究成果の概要 |
本研究では、巨大ウイルスの存在とそのゲノムへの影響を調べるため、数種のクロレラ種についてゲノムアセンブリを行った。ショートリードとロングリードのデータを組み合わせたハイブリッドアセンブルを用い、3種のゲノムを高い精度でアセンブルした。次に、共生生物における二次共生の初期段階で起こるゲノムの変化の解明に焦点を当て、近縁の自由生活種とゲノム比較した。また、共生と非共生の条件下でトランスクリプトームを解析し、共生の基礎となる遺伝的メカニズムを解明した。藻類ゲノムにおける巨大ウイルス遺伝子の発現を確認するため、機能解析も行った。その結果、発現量の異なる遺伝子を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は、緑藻ゲノムにほぼ全長の巨大ウイルスが挿入されていることを発見した。真核生物のゲノム内における巨大ウイルスゲノムの発見は、ウイルス学、ゲノミクス、進化生物学など、生物学の複数の分野に大きな影響を与えることになる。ウイルスの進化とウイルス学の理解につながることが期待され、真核生物における巨大ウイルスのゲノムの発見は、ウイルスの進化や細胞生命との関わりについて、さらなる知見が得られる。また、新しいウイルスファミリーや新しいタイプのウイルスの発見にもつながる。真核生物と巨大なウイルスがゲノムレベルでどのように相互作用しているかについての知見が得られる。
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