研究課題/領域番号 |
20K21454
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2022-2023) 基礎生物学研究所 (2020) |
研究代表者 |
安藤 俊哉 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (10709744)
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研究分担者 |
小長谷 達郎 奈良教育大学, 理科教育講座, 准教授 (80837790)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 強化 / 鱗片 / 装飾形質 / 構造色 / キチョウ / 進化発生学 / 進化生物学 / キチョウ属 |
研究開始時の研究の概要 |
クジャク等の動物のオスが示す鮮やかな装飾形質は種特有の形質を示し、種分化して間もない種間でも明確な違いが見られる。本研究では、種分化過程における装飾形質の創出機構として「強化」に着目する。強化(生殖的形質置換)は、分布域が新たに重なった近縁種間の交雑に対して選択が働いた結果、種間交雑を妨げる様に装飾を含む生殖形質が変化する現象である。日本産のキチョウ2種の同所的棲息集団において、強化がオスの装飾形質の多型を生じた進化に着目し、技術的問題から未解明であった、種ごとの進化の方向性を決める発生遺伝学的背景を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、近縁なキチョウ2種において、強化(生殖的形質置換)によって装飾形質が2種で異なる方向へ進化した点に着目し、その進化の方向性を決めた発生遺伝学的基盤を解明することを目指した。本年度は、PacBio Sequel IIeを用いたロングリード解析で得られたゲノム情報を用いたキタキチョウとミナミキチョウの比較ゲノム解析を進めるとともに、ddRAD-seq法によるライブラリー調製の解析を推進した。ddRAD-seqのデータ解析は未完了である為、今後、表現型と関連する遺伝子領域を推定する統計学的解析を進める必要がる。 本計画では、これまでに、(1)強化遺伝子・装飾形質形成遺伝子の同定、(2)強化遺伝子の機能解析、(3)装飾形質形成を支える遺伝子制御ネットワークの解析、を通して、装飾形質進化の発生遺伝学基盤解明を目指してきた。(1)に関しては、コロナ禍で沖縄系統のキチョウの取得が困難であったが、本土系統と沖縄系統の交配実験によってF2世代を取得し遺伝学的連環解析(ddRAD-seq)の解析サンプルの取得を完了した。(2)に関しては、今後、(1)の解析結果を受け推定された強化遺伝子に着目した更なる解析が必要である。(3)に関しては、免疫組織化学・電子顕微鏡解析を通して装飾形質形成に変わる細胞の形態変化を明らかにするとともに、mRNA-seq解析をベースとした装飾形質形成に関わる遺伝子情報を取得した。コロナ禍の影響で、本研究の中心の解析である(1)の解析が遅れたため、(1)の情報解析を今後も更に進めることで、強化が装飾形質を進化させる発生遺伝学的基盤の解明が期待される。
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