研究課題/領域番号 |
20K21459
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
奥山 輝大 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (80625955)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 社会性記憶 / 海馬腹側CA1 / 性表象 / 神経生理学 / 海馬 / 神経生理 |
研究開始時の研究の概要 |
相手個体の性の認識は、性行動などの社会性行動を出力する上で、重要な意味を持つ。これまでフェロモン受容など「性の認識」に主眼が置かれてきた一方、記憶した相手個体の性を認識する神経基盤は不明であった。本研究は、この未知な研究分野を開拓し、「どのように私たちが他者のことを思い出すのか?」という、社会性行動とその記憶の神経メカニズムに迫る。
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研究成果の概要 |
社会を形成する動物は、集団内の同種他個体を記憶し(社会性記憶)、それぞれに対して適切な行動を選択する。これまで、オスが他のオス個体を記憶する神経メカニズムを探索し、記憶中枢である海馬の中で、海馬腹側CA1ニューロン(vCA1)が社会性記憶を保持していることを見出してきた。さらに、Ca2+イメージングによる神経生理学解析によって、特定の個体についての記憶情報は、複数のvCA1ニューロンの組み合わせで表現されている事を示してきた。本研究課題では、それらのvCA1ニューロン集団が、記憶している個体についての「オスとメス」といった明確に異なるプロパティ情報をどのように表象しているのかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では、まずオスがどのような神経回路を用いてメスについての記憶を保持するかを検証するため、超音波発声を基準にした行動アッセイ系を確立した。その結果、同性のオス個体に対する記憶と同様、メス個体の記憶もvCA1ニューロンが貯蔵していることが分かった。さらに、海馬ニューロンがオスとメスをどのように表象し分けているのかを検証するため、メスの記憶を保持するニューロンのみをChR2を用いて光遺伝学的に人為的な興奮誘導を行なったところ、テストマウスは強い選好性を示し、メス記憶ニューロンが正の情動情報を保持していることが明らかになった。
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